■最も近い有人島は約2500km、大陸は2800km
トリスタンダクーニャ島は、アフリカ大陸のケープタウンから2850km、南アメリカ大陸のリオデジャネイロから3353km離れた大西洋にポツンと存在する。人が定住する最も近い陸地は、2429km離れたイギリス領セントヘレナ島だ。
ちなみに東京から中国の北京までの距離が2100km。ベトナムのハノイまでが3674kmだと聞けば、いかに孤立した島なのか、少しは想像できるだろう。
トリスタンダクーニャ島の人口は最新の統計で243人。唯一の集落であるエディンバラ・オブ・ザ・セブン・シーズで暮らしている。島の海岸線はほとんど断崖絶壁だが、北西部に5平方キロほどの平地があり、その北端に村がある。
村には港や政庁、警察署、教会、学校、病院、郵便局、喫茶店、ロブスターの加工工場があるが空港はない。そのため、観光客はアフリカから船で6日間かけて訪れる必要があり、ホテルもないため、訪問の数カ月前に旅行を計画してから、島の評議会で承認される必要がある。
■島民のご先祖様はたった15人の移民たちだった
テレビは2001年まで受信できなかったが、現在はイギリス軍放送のサービスが受けられる。電話は各家庭に普及し、カフェでインターネットも利用可能だが、その速度は非常に遅く、動画などは視聴不可能なレベル。そもそもSNSを利用する必要はないのだろう。
現在の島民の家系を辿るとわずか15人の祖先にたどり着くと考えられ、その祖先は1816年から1908年の間にスコットランド、イングランド、オランダ、アメリカ、イタリアなどからやってきた。
約80の家族が暮らすが、姓はGlass(スコットランド系)、Green(オランダ系)、Hagan(アメリカ系)、Lavarello(イタリア系)、Repetto(イタリア系)、Rogers(アメリカ系)、Swain(イングランド系)の7つだけ。
トリスタンダクーニャを医師として訪れた人の個人記録動画