■世界各地で見つかる「失われた巨人族」の痕跡
たとえば、ギリシア神話には「ジャイアント(Giant)」、旧約聖書には身長約2.9メートルの巨人「ゴリアテ」(Golyat)、神と人間の間に生まれた種族、「ネフィリム」(Nephilim)などが登場する。
南アメリカには「パタゴン」という巨人族の伝説が残っている。16世紀から18世紀、ヨーロッパの探検家によって伝えられ、その身長は3〜4メートルと言われ、この巨人伝説は250年以上も語り継がれていた。そもそもパタゴニアの地名はこの「パタゴン」が由来となっているのだ。
ここまでは「ほ~ん、世界中に巨人伝説はあるのね」という話だが、本題はここからだ。
ポール・バニヤン伝説にもゆかりのある五大湖のほとりウィスコンシン州の州都ミルウォーキーから南西約80キロの町、デラバン(Delavan)の湖岸で1912年、ピーターソン兄弟が身長2.3~3メートルの巨大な人骨を発見。地元ベロイト大学の考古学チームがさらに調査したところ、合計18体の巨大人骨が見つかり「巨人族の墓所なのでは」と話題となった。
また、詳細は不明だがこの人骨には「手足の指が6本あった」「歯がサメのように前後2列になっていた」など奇妙な特徴があったとされ、われわれ人類とは別の「巨人族」の可能性も囁かれているのだ。
■身長5・5メートル鉄兜で武装した巨人が古代北米に!?
さらに、アメリカ大陸の先住民であるネイティブ・アメリカン諸部族の伝承では「われわれとは別の白い巨人族」との遭遇が語られ、時に土地を奪われたなど恐れられている。そして事実、古代ネイティブ・アメリカンをしのぐ「鉄の武器」を持った巨人も見つかっているのだ。
これまた五大湖のひとつエリー湖にほど近いペンシルバニア州ウエストヒッコリーで1870年、地表から12フィート(約3.6メートル)の地下から、錆びた鉄の兜と9フィート(約3メートル)の長剣が発掘された。そして、さらにその下には、推定身長がなんと18フィート(約5.5メートル)の巨大な人骨が発見された。
この報を伝えた地元紙『Oil City Times』の記事によれば、「まばゆいほど白い骨で巨大な歯が2列に並んでいた」と先に挙げたデラバンの巨人と共通する特徴がわかる。さらに記事では鉄の兜についても「(古代アッシリアの)ニネヴェ遺跡で見つかった兜と特徴が似ている」と興味深い内容が記されていた。
五大湖周辺で見つかり、アメリカ先住民が恐怖とともに語り継いだ「白い巨人」は、もしかすると古代メソポタミアから鉄の武器をもって侵略してきた巨人族……というストーリーも浮かんでくる。このほかにも、ポール・バニヤンの伝説が残る北米大陸では、身長7フィート(約213センチ)以上の骸骨が今までに1000体以上も発掘されているという。まさに北米大陸は「巨人の国」だったかもしれないのだ。