■「生きた化石」と呼ばれる理由

 カブトガニはオルドビス紀には出現し、最古の化石は約4億8000年前まで遡ることができる。恐竜が地球上で絶滅したはるか昔のことだ。約2億年前のジュラ紀には、現在のカブトガニとほぼ同じ種類のカブトガニが存在。これが「生きた化石」と呼ばれる理由だ。

 なお、カブトガニの化石は、現在は生息していないイギリスやドイツなど、ヨーロッパ大陸から多く発見されていて、世界中で大繁殖していたことがわかる。陰謀論で(それにドラ〇もん映画でも)定番の「恐竜から進化した爬虫類人」なんてものがあるが、ここまで繁栄していたカブトガニから進化した「カブトガニ人」なんてものがいたっておかしくはない(いや、おかしいだろw)。

 なんにせよ、カブトガニはわれわれ人類より遥かに古い歴史をもった「大先輩」なのだ。

■えっ、カブトガニって食べられるの?

 そんな大先輩のカブトガニだが、食べられると聞いたら驚く人も少なくないだろう。確かに、日本では田畑の肥料や釣り餌、家畜の飼料として使われてきたので食用のイメージは少ない。しかし、中国やタイなどの東南アジア地域では、卵を持つカブトガニのメスが食用にされているのだ。

 ただし、インドから東南アジアにかけて生息するマルオカブトガニなどは、時期によってフグ毒と同じテトロドトキシンを持っており、食用には適さないのでご用心を。