■「バナナで釘が打てる」極寒の街

 昭和生まれ世代なら、1980年代にテレビで「マイナス40度の世界では、バナナで釘が打てます」という、エンジンオイル「モービル1」のCMがさかんに流れていたことを覚えている人は多いだろう。世界の中にには「モービル1」CMの世界そのもののような、極寒の街がある。それが、サハ共和国の首都ヤクーツクだ。

 サハ共和国とは、ロシア連邦を構成する共和国のひとつで、その土壌は全て永久凍土。面積の40%は北極圏に含まれる。その首都であるヤクーツクの1月の平均気温はマイナス40.9度で、最低気温はマイナス50度以下になることもある。夏は比較的高温になり、7月は30度以上になることもあり、寒暖の差が極めて大きい。

 その過酷な暮らしぶりについて、ユーチューバーのルヒ・チネッツ (Ruhi Çenet)氏が、ドキュメンタリー動画を公開している。動画のなかでは、最低気温の記録はマイナス70度に達し、寒すぎて「逆に火のなかにいるように暑い」などとんでもないエピソードが次々と……。