【前回までのあらすじ】連載15回で沖縄のユタまで頼って運気アップしたはずの本連載の筆者、カワノアユミだったが、最近は兄弟サイト「日刊大衆」でのボートレース連載で舟券の目が出ないとお嘆き。そんな時、耳にした情報をもとに再び運気(特に金運!)アップを願って一路、タイへ! なんでもあちらでは「タンブン」なるご利益てきめんなありが~い儀式があるのだとか(前編記事はこちらから)

 

■なぜかビーチリゾートでタンブンって……カワノさん?

パタヤ

10年ほど前ですが、パタヤの華やかな夜街。……で、タンブンしになぜこの街へ?

画像:© Vyacheslav Argenberg / http://www.vascoplanet.com/, CC BY 4.0 , via Wikimedia Commons

 ということで、タイのパタヤにやってきた。首都バンコクから車で2時間ほどのビーチリゾートで、ゴー・ゴー・バーやバービアなどのナイトライフ産業が盛んなカワノが世界一好きな街である。今回の目的は……夜遊びと、ダラダラとリフレッシュするためのまさに煩悩だらけの旅だ。

 

 しかし、日頃の私の行ないが祟ったのかタイに着いてから散々だったのである。タイバーツのレートが過去最悪というくらいに上がる、ホテルの部屋に“G”が出る、ホテルのシャワーから泥水が出る……。これは、一刻も早くタンブンするしかない‼

 

 そこでやってきたのが「ワット・ホゥアイヤイ」。パタヤの繁華街から車で30分ほどのHuay Yai(ホゥアイヤイ)という街にある寺院である。パタヤ市内からタクシーで出発、繁華街の喧騒を抜けてのどかな道を走るとほどなくして立派な寺院が見えてきた。

 

パタヤ郊外にあるお寺「ワット・ホゥアイヤイ」

 寺院に入ると……いるわ、いるわ、タンブン用の生き物が。早く生き物を逃がしたい欲(笑)に取り憑かれながらも、まずはお坊さんへのタンブンを忘れてはいけませんよ。

 

■待て、まずはお坊さんへの喜捨。話はそれからだ

お坊さんへ喜捨するためのセット。こんなセットがあるのもタイらしいところ

 さっそく、寄進するお供え物を買う。これは喜捨といい、簡単に言うとお坊さんに食事を提供する行為となるのである。「サンカターン」と呼ばれるお供物セットの中には、お坊さんの生活に欠かせないミネラルウォーターや袋麺、洗剤などが入っており、料金は100〜200バーツ(420~840円)ほど。

 

 お供物セットを買うと花と線香、そしてお布施用の封筒がもらえる。ググってみるとお布施は100バーツほどが相場だというが、財布の中に細かいのが20バーツ札2枚しかなくて滝汗! 他は1000バーツしかなかったので、とりあえず20バーツを2枚包んだ。

 

本堂の中ではお坊さんが読経とお清めをしてくれる

 

 さて、このとき本堂の中に入るのだが、なぜか入口でカメラを向けてくる人がいた。なんだろうと思い、そのときは特に気にせずに中に入った。本堂の中にはすでに20人くらいの人が座っており、前ではお坊さんが説教を説いている。私も前のほうに座らせてもらい、お供えセットと封筒をお坊さんに寄進した。

 

 全員が座ったら手を合わせてお祈りをしながら、お坊さんが読むお経を聞く……。その辺りはあまりよくわからないので、とりあえず見様見真似でやった。その後、願い事を唱えながら、用意された皿に水を注ぐと願いが叶うといわれているらしい。

 

■お清めの水で欲に塗れた心も清らかに?

 

「ボートレースで万舟券を当てられますように……」

 

 こんな願い事してる人間、この場に誰一人いないだろう。そして最後は、お坊さんから清められた水を頭に振りかけてもらう。このとき、日本で言う警策(けいさく ※注1)のようなもので肩や頭を叩いてくれる(全然、痛くはない)。

注1/きょうさく、きょうしゃくとも。禅宗の僧堂で修行僧の眠気を覚ましたり、心や姿勢の崩れを戒めるために使う細長い板状のもの。

 

 水をかけられて目を開けるとなんだか気分がスッキリ! 最後は本殿の外に出て、皿に移し替えた水を近くの木々に与えたらタンブン(寄進編)は終了だ。

 

 このとき、本殿の外で何かが売られていることに気づいてしまった。それは先程、本殿に入るときに撮られた写真が金ピカの額縁に入れられて売られていたのだ。ディズニーランドか! もちろん、それは買いませんでしたが(笑)。

 

■自分の生れた日の「曜日」で放つ生き物の数が変る!?

ちょっとした魚市場並みに種類豊富なタンブン用の魚たち

 さて、お坊さんへのタンブンが終わったら、次はいよいよ生き物を逃がすタンブンをする。カゴや水槽の中には鳥、亀、カタツムリ、ナマズ、ウナギなどの魚など全20種類が売られている。料金は15バーツ(約63円)〜で一番高いのは鳥で150バーツ(約630円)。ちなみに放流する数は自分が生まれた日の曜日によって異なる。私は火曜日生まれなので8匹となる。そうなると、結構いい値段になるな~……

 

「金運に一番ご利益があるのは?」

 

 売っている人に尋ねてみると、やはり「ウナギ」だと言う。ウナギはなぁ……好きな食べ物だしやっぱり無理だな……。「イープン チョープ ギン(日本人食べるの好き)!」と覚えたてのタイ語を使って、他には何があるのか尋ねる。すると、サウェイという小魚でも金運のご利益があるという。

 

 小魚8匹、後は逃がすときに写真映えしそうな鳥と亀も買っておこうかな。それぞれ1匹ずつ買って、生き物の合計は350バーツ(約1500円)! これだけタンブンすれば舟券も当たるでしょう(笑)。

 

■いざ、金運アップ願ってタンブン! だが……

金運アップを願って魚と亀を放つも猛スピードで逃げられた……

 逃がすのは寺院の中ではなく近くの川で行なう。トゥクトゥクに乗って川に到着。逃がす瞬間を写真に収めたい……そう思っていたのに魚も亀も「嘘でしょ?」というくらい、足早に逃げていった。もうちょっと感謝してくれよ! そして鳥に至っては箱を少し開けた瞬間に”バサバサバサ‼”とあっという間に逃げていった……あああああああ!!!!!

 

 でも、飛んでいく鳥を見てふと気がついた。別にあのオリの鳥達は殺されるわけでもなく、エサももらえるんだよな。それなら野生で生きるよりも囚われていたほうが幸せなのでは? ……な〜んてことを思ったのはさておき(笑)! とりあえず無事にタンブン終了! カワノは功徳を積みまくりましたよ! 

 

 しかし、欲まみれで行なったのですが、実際にお坊さんに説教してもらうと心が洗われますね。お寺って静かで落ち着くし、定期的にタンブンしに来るのもアリかも。

 

 ちなみにタイからはボートレースの舟券は買えないので、帰国したら勝負します! 年末のビッグレース、グランプリで! その結果は関連サイト「日刊大衆」の連載にて報告するのでお楽しみに!!