■【繊細ロマンスベスト5】契約結婚から始まる不器用男女の繊細ラブコメ『この恋は初めてだから』

 イ・ミンギ演じる独身主義者のアプリデザイナーと、チョン・ソミン演じる家も仕事もないヒロインが契約結婚をスタートすることから始まる『この恋は初めてだから』(2017年)。ヒットロマンスの定番要素である「同居から始まる恋」で、コメディ要素もありながら、恋愛と結婚の違い、一緒に住む意味、家族との関係など、様々な問題にぶち当たりながら、不器用に距離を縮めていく2人に思わずほろりとさせられます。

 始めは心が読めず、今一つぱっとしない主人公のイ・ミンギがどんどんカッコよく見えてきて、胸キュン要素もたっぷり。彼らの友人2組の恋模様も良く、一見地味でドラマチックな展開はありませんが、等身大主人公たちの姿に共感度大のロマンスです。

■【繊細ロマンスベスト5】大人の男女の魂の結びつきがじわりと余韻を残す『空港に行く道』

 最後に、大人の繊細ロマンスとして、とくに40代以上にお薦めしたいのが、キム・ハヌルとイ・サンユンの『空港に行く道』(2016年)。お互いに家庭がある男女の「魂の結びつき」をテーマに、友情以上不倫未満という関係を、ドロドロでもなくサバサバでもなく、情緒たっぷりに描いた作品です。

 演出は、イ・ジュンギの『悪の花』(2020年)やジュノ2PM)主演『自白』(2019年)でも高く評価されたキム・チョルギュ監督。脚本はイ・ヨンエ×ユ・ジテ主演の名作映画『春の日は過ぎゆく』(2001年)で当時メロロマンスブームを巻き起こしたイ・スギョンという点でも、作品のクオリティは保証済み。魂で深く結ばれた新しいカタチの男女の関係が、観終わったあと胸にじわりと温かな余韻を残す名作です。

 発売中の『韓国TVドラマガイド』99号では「繊細ロマンス」特集として、『その年、私たちは』『ブラームスは好きですか』を取り上げているほか、繊細ロマンスの名作が一目でわかる「繊細ロマンスMAP」も掲載しています。