人生の一番良かった時期を最高のときめきで描いてくれた韓国ドラマだった。同時に、それほど素敵なドラマがないともう生きていけない……そこまで思わせてくれたのが『二十五、二十一』であった。

(以下、ネタバレを含みます)

 究極的には、ペク・イジン(ナム・ジュヒョク)、ナ・ヒド(キム・テリ)、コ・ユリム(ボナ/キム・ジヨン)、ムン・ジウン(チェ・ヒョヌク)、スンワン(イ・ジュミョン)の5人の物語だった。

 主軸はペク・イジンとナ・ヒドの成長と愛と別れのストーリー。名場面がたくさんあったが、一つ取り上げれば、2009年の金メダルのあと、ナ・ヒドがキャスターのペク・イジンからインタビューを受けた場面だ。あのときのナ・ヒドは本当に美しかった。カメラに映るときは左側からの角度が一番のツボ。それを教えてくれたのがペク・イジンだった。

 そして、ユリムとジウンの空港での別れのシーンも秀逸。ユリムがロシア国籍に変えたあとも信じて待ち続けたジウン。2人の変わらぬ愛は感動的だった。

 さらに、スンワン。彼女は自ら退学する道を選んだ。その潔さは格別だった。そのスンワンのオンマもまさに見事。娘の退学の意志を優しく受け止めたうえで、学校に憤然と駆け付けて暴力教師に謝罪を要求した。オンマのタンカの切り方が絶妙だった。

 フェンシング部の仲間だったイェジ(チュ・ボヨン)にもスポットが当たった。彼女はベスト8を条件に退部を許可されるのだが、実際に実現したらフェンシングの面白さに目覚めて競技を続けると思ったら、あっさりとやめてしまった。予想外の展開だったが、新しい道に進む勇気を示してくれた。