ハンス(チャ・スンウォン)とウニ(イ・ジョンウン)のロマンス再燃はあるか?

 私はウニが済州の女なのでその答えは半分出ているような気がする。まあ、そのことはいずれ書くとして、今回も韓国ドラマ私たちのブルース』を見ていて「おっ! 」と思った点を挙げてみよう。

済州の道端で高齢の女性と話をすると、ほとんどが現役の海女か経験者であることがわかる

■イ・ジョンウン扮するウニ。そのたくましさの秘密

「生鮮~生鮮~」と叫びながら、ウニが台車に太刀魚を載せて市場を練り歩く。彼女は市場の鮮魚店5軒とカフェを経営するだけでなく、五日市でも魚を商って稼ぐやり手だ。

 朝鮮半島には女性の生活力が強いといわれる地域がいくつかある。済州もそのひとつだ。「三多島」の別名があるように、済州には「石」「風」「女」が多い。女が多い(目立つ)のは、かつては男が漁に出て命を落としたり、日本に出稼ぎに行って長らく家を空けたりしていたからだ。

 土壌が火山灰性で土地がやせていて稲作には不向き。風は強く台風は多く、水も乏しい。そんな土地では女も男並みかそれ以上に働かなければならなかった。その象徴的な存在が本作にも出てくる海女である。市場で働くチュニ(コ・ドゥシム)は現役の海女だ。姉貴分のオクドン(キム・ヘジャ)もかつては海女だったろう。ウニも若い頃は海に潜っていたかもしれない。

 チュニを演じるコ・ドゥシムは実際に済州出身だ。済州が舞台の映画『初恋のアルバム 人形姫のいた島』では若い頃は海女で稼ぎ、年をとっても銭湯でアカスリをして稼ぐ、たくましい母親を演じていた。

済州南西部の海で出会った現役の海女たち
済州北部の東門市場の前にある映画の道には、『初恋のアルバム 人魚姫のいた島』(2004年)の一場面が描かれている。コ・ドゥシムは手前左のヨンスン(チョン・ドヨン)の50代の姿を演じた