実は中宗の在位期間は38年と比較的長い。だか、これといって成果がないため、“王朝史上もっとも優柔不断な王”とも揶揄されており、残念な王というのが実像のようだ。
その姿は、自分もいつか燕山君のように切り捨てられるのではないかと疑心暗鬼に陥る『師任堂(サイムダン)、色の日記』の中宗(チェ・ジョンファンが怪演!)の姿がいちばん近いのかもしれない。
一方で、即位後七日で廃妃された端敬王后を生涯愛したという純愛エピソードが残るなど、ロマンチックな王の代表格でもある。作品によって、どの中宗イメージを踏襲しているかをチェックするのも面白いだろう。