■『私の解放日誌』ソン・ソックが韓国で大ブレイク中!
韓国ドラマファンの間で今、注目を集めてる『私の解放日誌』。一見華やかさはないが、独特でユニークな会話と現代韓国の生活描写が面白く、登場人物たちの日常エピソードが丁寧に積み重なって物語の根底を貫く大きなテーマへと動き出していく。そのリアルで巧みな演出に、まるで自分があの物語のなかの誰かで、中途半端な田舎やソウルの片隅で生活しているかのような錯覚さえ覚える。
数多あるドラマのなかでも『私の解放日誌』は、過去に見たことがない異色の傑作と言えるだろう。脚本は『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』のパク・ヘヨン、監督は『まぶしくて―私たちの輝く時間―』のキム・ソギュンという、それぞれ百想芸術大賞受賞作を手掛けたふたりがコンビを組んだ。本作は韓国での評価も高く、早くも来年の百想芸術大賞で賞レースを賑わせるだろうと評判だ。
京畿道に暮らしてソウルまで通勤する主人公3人きょうだいの長女役は、『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』の“赤い服の女”兼“謎の老女”というミステリアスな役で印象深いイエル。きょうだい2番目の長男役は『この恋は初めてだから〜Because This is My First Life』『僕が見つけたシンデレラ〜Beauty Inside〜』など、ロマコメのツンデレキャラでも魅せるイ・ミンギ。末っ子の次女役は『太陽の末裔 Love Under The Sun』『サム、マイウェイ~恋の一発逆転!~』『都会の男女の恋愛法』など共感度の高いキャラクターで同性人気も高いキム・ジウォンが扮している。
その3人きょうだいの前に現れる謎の男「ク氏」を演じているのが、今まさに韓国で大ブレイク中の俳優、ソン・ソックだ。「ク氏」は無表情でソジュ(焼酎)ばかり飲んでいるが、働いているときの振る舞いや鍛えられた肉体、押し殺した佇まいの中に漂う色気、ふとしたところで突然見せる気遣いなど、やがて彼の一挙手一投足から目が離せなくなってくる。
ソン・ソックは1983年2月7日生まれ。シカゴ芸術大学で美術とドキュメンタリーを学んだ彼は、兵役を経て、カナダでアクションスクールに通い俳優の道へと進んだ。帰国後は舞台に出演、2015年に公開された韓仏合作映画『Black Stone』で映画デビューを果たし、2016年、Netflixシリーズ『Sense 8 シーズン2』(米ドラマ)でペ・ドゥナと共演、俳優としての道を開拓した。本格的に演技活動を始めたのは30代になってからだが、ドラマ『最高の離婚』『恋愛体質~30歳になれば大丈夫』『サバイバー 60日間の大統領』『D.P.-脱走兵追跡官-』などに立て続けに出演し、脇役ながらもその独特な存在感を発揮してきた。
現在、韓国で観客動員900万人を突破するほど超大ヒット中のアクション映画『犯罪都市2』では、主演マ・ドンソクを相手に立ち回る最強の悪役を演じている。予告編やインスタに投稿された写真から、『私の解放日誌』からさらに極悪さを増した迫力ある佇まいに圧倒される。
かと思えば、日本でも7月8日に公開される恋愛映画『恋愛の抜けたロマンス』では、仕事も恋愛も上手くいかない平凡な優男を演じている。また、制作がスタートした『D.P.-脱走兵追跡官-』シーズン2にはシーズン1に引き続き出世欲の強い大尉役で出演する。
謎めいた男から冴えない男、迫力あるアクションまでできることを証明したソン・クック。英語も堪能で、韓国エンターテイメント界の国際的な俳優のひとりとして、今後ますます注目されていくだろう。