ユ・ジテチョン・ジョンソパク・ヘスら実力派俳優が揃った『ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え』

 スペイン発のNetflix人気シリーズを超豪華キャストでリメイクした韓国ドラマ『ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え』が、日本でも連日トップ10にランクインするなど、人気急上昇中だ。

 ドラマの舞台設定は韓国と北朝鮮が統一される直前の朝鮮半島。8人強盗団が南北統一後に使われる通貨を狙って、共同経済区域の造幣局に侵入する。この強盗団を組織し、強奪計画を操るのは“教授”と呼ばれる男だ。はたして、南北合同の警察チームはこの天才的犯罪者率いる強盗団を止めることができるのか。造幣局に囚われた人質たちは無事に解放されるのか。物語は序盤からスリリングに加速していく。

 韓国ソウル在住のエッセイスト、チョン・ウンスク氏は、この『ペーパー・ハウス・コリア』の見どころについてこう語る。

韓国映画好きなら、まず北朝鮮の女性”トーキョー”を見てハッとしたのではないでしょうか。そう、イ・チャンドン監督の映画『バーニング 劇場版』で鮮烈な印象を残した女優チョン・ジョンソです。

 闇を感じさせる目の力と、スリムだけど筋肉質な体つきは、ARMY(アーミー、BTSファンのことではなく本物の軍人)という設定に説得力を感じさせます。キャバクラのような店のホステスとしてく働くトーキョーが歌っていたのは、1970年代のヒット曲『夜汽車』です。映画『GO GO 70s』(2008年)ではダンサー役のシン・ミナがこれを歌っていました」(チョン・ウンスク氏)

1話でトーキョー(チョン・ジョンソ)が働いていた中華料理店はセットではなく、全羅北道の群山(クンサン)に実在する「濱海園」。冒頭のほんの数秒のシーンのために群山まで行って撮ったのだとしたら、大変なこだわりだ

 チョン・ジョンソは1994年7月5日生まれ。『バーニング 劇場版』(2018年)で脚光を浴び、『ザ・コール』(2020年)では第57回百想芸術大賞の最優秀主演女優賞を受賞した若手実力派女優だ。

 日本で7月8日から公開される恋愛映画『恋愛の抜けたロマンス』(2021年)では、『私の解放日誌』で大注目のソン・ソックとW主演。同作はデートアプリで出会ったアラサー男女の関係を描く共感度抜群のリアルなラブコメディで、第58回「百想芸術大賞」映画部門で脚本賞を受賞。チョン・ジョンソも2年連続で最優秀女性演技賞にノミネートされた。チョン・ジョンソもソン・クックもこれまでのイメージとは違う等身大のキャラクターで新たな魅力を発揮している。

『ペーパー・ハウス・コリア』は他のキャラクターもそれぞれ個性的でインパクトがある。

「強盗団のボス役を演じるユ・ジテは、映画『オールド・ボーイ』(2003年)以来、久しぶりのハマり役が回ってきた印象です。冷静ですが目の奥に鋭い光が宿っているようなキャラクターはユ・ジテの真骨頂を示すものでしょう」(チョン・ウンスク氏)

 ユ・ジテは1976年4月13日生まれで、映画『アタック・ザ・ガス・ステーション!』(1999年)、『春の日は過ぎゆく』(2001年)や、ドラマ『マッド・ドッグ~失われた愛を求めて~』(2017年)、『グッドワイフ〜彼女の決断〜』(2017年)など数多くの作品に出演する演技派俳優だ。

 他にも『イカゲーム』のパク・ヘス、『悪の花』のキム・ジフン、『愛の不時着』『パラサイト 半地下の家族』のパク・ミョンフン、『シュリ』のキム・ユンジンら、実力派俳優が勢ぞろいしている。彼らの痺れる演技にぜひ注目してほしい。