■『先輩、その口紅塗らないで』『Mine』のクズ男役でブレイクしたイ・ヒョヌク

 1人は、成功したベンチャー企業の社長で、「レックス」のスーパーセレブ会員、イ・ヒョンジュ(イ・ヒョヌク)。仕事もできてイケメンかつジェントルな彼は、多くのセレブ女性たちが結婚相手として狙うモテ男。シャツのボタンを常に開け、女性の扱いも手慣れているため一見軽く見えるが、元妻に裏切られたトラウマから下心ありの女性には手厳しい態度をとるあたり、好感度大。息子の家庭教師としてやってきたヘスンにもはじめは疑心を抱くが、その人となりに触れ、心惹かれていく様は、ラブコメとは違った“じわキュン”が満載だ。

 この有能でセクシーな大人男子に沼落ちする人が続出している。演じるイ・ヒョヌクは、いわゆる“クズ男子”役でブレイクした俳優だ。

 1985年6月17日生まれのイ・ヒョヌクは、舞台や短編映画を経て、2014年、29歳の時に『スリーデイズ~愛と正義~』でドラマデビューした遅咲き俳優。2019年のホラーサスペンス『他人は地獄だ』では、何が起きてもぴくりともせず、うっすらと笑っている(しかも年がら年中長袖を着ている)薄気味悪い考試院の住人を演じ、インパクトを与えた。

 そして、2021年のドラマ『先輩、その口紅塗らないで』の主要キャストに抜擢。この作品では、化粧品会社のマーケティング部代理として働くヒロインと密かに社内恋愛をしている上司役で、金持ちの令嬢と婚約してしまうクズぶりをリアルに演じ、視聴者を大いに苛つかせた(つまり、役者としては大成功)。一方で、カメラの外では、新人社員でヒロインを一途に愛する爽やかな年下男子を演じたロウン(SF9)と親しくなり、インスタで微笑ましいやり取りも見せている。

 さらに、財閥一家を舞台にした大ヒット愛憎劇『Mine』での財閥2世で大ブレイク。序盤は妻にも子どもにも優しい理想の夫だったが、実は昔の恋人と不倫していたりと、徐々に明かされる裏の顔が救いようがなく、視聴者から“女性の敵”認定されたほど。その怪演により、2022年の百想芸術大賞TV部門で男性助演賞にノミネートされるなど、役者として飛躍のきっかけに。

 今回の『再婚ゲーム』では、“クズ男”から華麗に脱却し、大人のイケ男の魅力を発揮している。

画像:Netflix Korea