「竜のような目、酒と色を好み、恥も恐れも知らない無法者」
ヤン・セジョン、ウ・ドファン主演ドラマ『私の国』では、チャン・ヒョク演じるイ・バンウォンを劇中こんな言葉で表していた。
赤系の衣に身を包み、大きな扇をさっそうと扱う姿はセクシー。一方で、その鋭い目つき、目の上の傷、危険な香りがたっぷり漂う――。イ・バンウォン、のちの朝鮮王朝第3代王・太宗(テジョン/李芳遠)は、兄弟と骨肉の争いを制して玉座を奪い、その後もばっさばっさと政敵や外戚を排除しまくった正真正銘の武闘派君主だ。
チャン・ヒョクは、そんな「血の王」のカリスマイメージを巧みに利用しつつ、華と艶のある悪役に仕立ている。