韓国を代表する豪華俳優、制作スタッフ陣が集結したNetflixシリーズ『ナルコの神』。南米の小国スリナム共和国を舞台に、“韓国の麻薬王“と呼ばれた人物をめぐる実話をもとにした犯罪サスペンスだ。
主演は、韓国映画界のトップ俳優であるハ・ジョンウ(『チェイサー』『悪いやつら』『ベルリンファイル』『神と共に』シリーズ)と、ファン・ジョンミン(『新しき世界』『ベテラン』『工作 黒金星と呼ばれた男』『人質 韓国トップスター誘拐事件』)の初共演。そして、ハ・ジョンウにとっては、16年ぶりのドラマ出演作としても話題を呼んでいる。
そこで今回は、映画出演が多い2人の貴重なドラマ出演作について振り返ってみたい。前編はハ・ジョンウが出演したドラマから、お薦め作を紹介する。
■ハ・ジョンウ出演『プラハの恋人』、脚本家は『太陽の末裔』『トッケビ』のキム・ウンスク
もともとは演劇舞台でキャリアをスタートさせたハ・ジョンウ。その後、『ナルコの神』でも演出を手がけるユン・ジョンビンの長編デビュー作『許されざるもの』(2005年)が釜山国際映画祭ほかで高い評価を得たのをきっかけに、映画界の注目の新人となる。
『許されざるもの』と時を同じくして撮影していたのが、『太陽の末裔 Love Under The Sun 』や『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』の脚本家キム・ウンスクが手掛けたドラマ『プラハの恋人』(2005年)だった。
無骨な刑事(キム・ジュヒョク)と大統領令嬢(チョン・ドヨン)との恋を描いたこの作品でハ・ジョンウが演じたのは、大統領令嬢の警護官。チョ・ドヨンから「ヌナ(姉さん)」と呼ぶように命じられ、弟のふりをさせられる実直なボディーガードだ。一見、鉄砲玉のように動くヒロインに振り回されているようにみえるが、いざという時は圧倒的警護スキルを発揮するのはもちろん、恋のアシストもさらりと実行する、任務を淡々と実行する姿がカッコよく、女性のハートを鷲掴みしていた。
ボディーガードといえば、かつて『砂時計』(1995年)で『イカゲーム』のイ・ジョンジェが演じて一世を風靡しており、「おいしいサブキャラ」の伝統があるのだが、ハ・ジョンウもその1人だったというわけだ。