■頭脳派の新米検事を演じた『H.I.T. -女性特別捜査官-

 そしてもう1本のハ・ジョンウお薦めドラマが、『善徳女王』や『あなたに似た人』などで知られる大女優コ・ヒョンジョンを主役に迎えた、凶悪事件のみを追う特捜班とその担当検事を描く本作捜査劇『H.I.T. -女性特別捜査官-』(2007年)だ。

 ハ・ジョンウが演じたのは頭脳派の新米検事。捜査能力は高いが扱いにくさで有名なヒロインとそのチームをサポート。最初はぶつかり合うものの、やがては「何があってもそばにいる」とすべてを受け止め、仕事も私生活もパートナーへと発展する最高の騎士ぶりを発揮。ロマンス作でも主役俳優へと飛躍する作品となった。

 ちなみに本作で描かれる連続殺人事件は映画『チェイサー』(2008年)のモチーフ「レインコートキラー事件」も参考にしているといわれている。ドラマと映画で、同じ事件を「追うもの」「追われるもの」として演じているのも興味深い。

『H.I.T. -女性特別捜査官-』画像出典:MBC

●ハ・ジョンウProfile

 1978年3月11日生まれ。184m。本名キム・ソンフン、俳優キム・ヨンゴンの長男。中央大学在学中より古典演劇の舞台に立ち、2003年の映画『マドレーヌ』やドラマ『武人時代』などに出演する。芸名をハ・ジョンウにした2005年、初主演した独立映画『許されざるもの』が釜山国際映画祭ほかで評価される。

 同年、ドラマ『プラハの恋人』に出演し、お茶の間でも知られる存在となり、2007年のドラマ『H.I.T −女性特別捜査官−』でコ・ヒョンジンの相手役を務め、注目の俳優に。

 2008年、連続殺人犯を演じ、それまでのソフトなイメージを一新した映画『チェイサー』が大ヒット。その後は主に映画界を主軸に活動している。

国家代表!?』(2009年)、『悪いやつら』(2012年)で青龍映画賞の人気スター賞、『国家代表!?』『哀しき獣』(2011年)で百想芸術大賞の男性最優秀演技賞など、数々の賞を受賞。2013年の映画『ローラーコースター』で映画監督デビューも果たす一方、画家としても活躍中だ。