〈2〉絶対的権力を持つ悪役
★代表選手:ユ・ジェミョン『梨泰院クラス』、イ・ギョンヨン『ミセン-未生-』『秘密の森』など、アン・ネサン『私の国』、コ・ヒョンジョン『善徳女王』、イ・ヘヨン『無法弁護士~最高のパートナー』
政界や財界で絶対的権力を持ち、弱者を抹消していくタイプ。大統領候補や時代劇でいえば領議政など、トップの座を狙う人にも多い。強いカリスマを持つベテラン俳優たちが担い、彼らなりの信念や大義名分があるぶん、最後の最後まで倒れず、非常に困難な敵といえよう。
ユ・ジェミョンやアン・ネサンなどは、作品ごとに徹底した悪か、情の深い良い役か、まるで違った役どころを演じてくるので、出てくるたびに、今回はどっち?という“ミスリード”を誘う意味で観る側をハラハラさせてくれる。イ・ギョンヨンに至っては、権力悪の代名詞的存在で、もはや悪役の矜持ともいえる。
〈3〉闇落ち悲しきヒール系
★代表選手:キム・ジソク『逆族-民の英雄ホン・ギルドン-』、イ・ドンゴン『七日の王妃』、チュ・サンウク『不滅の恋人』、キム・ミョンス/エル『仮面の王 イ・サン』、ユ・スンホ『ペク・ドンス』『会いたい』、ホン・ジョンヒョン『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』、キム・ボム『九尾狐伝~不滅の愛~』、ナ・イヌ『哲仁王后(チョルインワンフ)~俺がクイーン!?~』、アン・ボヒョン『梨泰院クラス』
ヒロインをどんなに思っても報われず、闇に落ちていく……など、欲しいものが手に入らず、歪んだ感情が生まれてしまうワケあり系がこれ。やっていることはひどいことでも、落ちれば落ちるほど憐憫を誘い、憎めなくなってしまうタイプだ。愛に飢えてだったり、コンプレックスだったり、背景には複雑な感情があり、はっきりした悪より演じにくいため演技力も問われる。悲しきヒール系は視聴者の心を持っていくケースも多く、俳優としては“魅せるチャンス”ともいえる。