日本で韓流ブームが巻き起こって約20年。韓国ドラマの人気とともに歩んできた韓流エンタメ情報誌『韓国TVドラマガイド』の表紙を飾ったスターたちを、当時のエピソードなどを交えて振り返っていくシリーズ。

 今回は2020年12月発売の92号から、2021年6月発売の95号までを紹介します。

■“国民の初恋相手”ナム・ジュヒョク、“泣く俳優”イ・ジュンギ

 92号(2020年12月発売)の表紙はナム・ジュヒョク。Netflix配信の人気作『スタートアップ・夢の扉』(2020年)を特集しました。

恋のゴールドメダル~僕が恋したキム・ボクジュ~』(2016年)の水泳選手ジュニョン、『まぶしくて―私たちの輝く時間―』(2019年)の記者志望ジュナ、そして“沼落ち”作『二十五、二十一』(2022年)の“国民の初恋相手”ペク・イジンなど、爽やかさと繊細な陰りが同居する独特の雰囲気で、“現実彼氏”と称されるナム・ジュヒョク。中学・高校時代はバスケットボールに打ち込んだ努力家で、性格は典型的な“釜山男子”だとか。韓国で話題の性格診断「MBTI」では「INFJ=人々を勇気づける提唱者」という結果が出ています。

 ナム・ジュヒョクが『スタートアップ』で演じたナム・ドサンは、ヒロインのソ・ダルミ(ぺ・スジ)やサムサンテックの仲間たちとともにビジネスでの成功を夢見て、困難を乗り越え、成長していきます。数学の天才ながら、欲がなく世渡り下手で、趣味は編み物というギャップあるキャラクターが、ナム・ジュヒョクの魅力と相まって青春サクセスストーリーの傑作となりました。

 本作の演出を手がけたオ・チュンファン監督(『あなたが眠っている間に』)は、『まぶしくて』の演技を観て、真っすぐな眼差し、純粋な心根がにじみ出ているのがドサンにぴったりだと思い、ナム・ジュヒョクの起用を決めたそう。

 現在、ナム・ジュヒョクは新作『ビジランテ』(2023年配信予定)の撮影中で、撮影終了後に兵役に就く予定であることが事務所から発表されています。“現実彼氏”がどんなふうに成長して戻ってくるのか、その日が待ち遠しいです。

『韓国TVドラマガイド』(92)表紙ナム・ジュヒョク

 93号(2021年2月発売)の表紙はイ・ジュンギ。「泣ける!ドラマ」特集として、イ・ジュンギ主演サスペンスロマンス『悪の花』や『スタートアップ:夢の扉』のほか、泣けるドラマFILEを掲載しています。

 イ・ジュンギは出世作となった映画『王の男』から涙の演技で定評があり、本人はそのことについて「泣く演技は体力がいるんです。(中略)演じる側も没入してしまうので、精神的な疲労度がすごい」と語っています。

『悪の花』で演じた主人公は“あらゆる感情を持たない男”なので、泣くシーンはたった1シーンしかないのですが、イ・ジュンギ史上最高とも言える涙の名シーンがあります。「とても難しかったし、もっとも心に残るものになった」と本人も語るその泣きの演技、大号泣必至です。

『韓国TVドラマガイド』(93)表紙イ・ジュンギ