Netflix韓国ドラマ『D.P. -脱走兵追跡官-』で先輩後輩を演じたク・ギョファンとチョン・ヘインのような魅力的なバディ(相棒)を探すコラムの後編は、2011年から2022年までの韓国映画からベスト3を選んでみよう。
■チェ・ミンシク&ハ・ジョンウ
2011年の映画『悪いやつら』は、悪に手を染めた元税関職員(チェ・ミンシク)と暴力団の若い親分のバディの物語。この2人もくっついたり離れたりするのだが、裏社会で肉体も性根も鍛えられてきたはずの弟分(ハ・ジョンウ)が口八丁手八丁の兄貴分(チェ・ミンシク)に何度もだまされるところがおもしろい。
「男って本当にバカね。でも、男って本当にかわいいわね」
そう言いたくなる、2人の人間臭さが愛おしいバディものである。
■クァク・ドウォン&チョン・ウソン
クァク・ドウォン&チョン・ウソン主演の『鋼鉄の雨』(2017年)は、前編で取り上げたソン・ガンホ&カン・ドンウォン主演映画『義兄弟 SECRET REUNION』と同じ、南北呉越同舟バディだ。南側工作員のクァク・ドウォンが北側工作員のチョン・ウソンをクルマで連行する途中、さまざまな事件が起きるのだが、なかでも2人が手錠をはめたまま食事するシーンは見応えがあった。
食堂で向かい合わせに座り、ピビムミョンをかきこむ南側工作員(クァク・ドウォン)。北側工作員(チョン・ウソン)はチャンチククスを食べようとするが、両手首をつなぐ手錠がじゃまだ。それを不憫に思ったのか南側は北側の手錠を外してやり、片方のわっぱを自らの手首にかけ横並びに座る。
ククスをぺろっと平らげた北側におかわりとマンドゥを追加してやる南側。北側は真顔だが、目が「ありがとう」と言っていた。国と国との関係を越え、食の情をきっかけに心を通わせ始める場面は、2人の演技力も相まってとても印象に残っている。