〈2〉 大人気!引く手あまたの5人
★オ・ジョンセ、カン・ギヨン、パク・ホサン、キム・ビョンチョル、チェ・ウォニョン
オ・ジョンセといえば、誰もが認める演技派の1人だろう。『サイコだけど大丈夫』では主人公ガンテ(キム・スヒョン)の兄で絵の才能を持つ自閉スペクトラム症の青年、『椿の花咲く頃』では虚栄心ばかりが大きな恐妻家の地主、『ストーブリーグ』ではナムグン・ミン演じる主人公と敵対する親会社の常務と、同時期にまったく異なるタイプのキャラクターを演じ、いずれも物語の大きなキーパーソンとなった。
ドラマで顔を知られるようになったのは、パク・ユチョン主演の『会いたい』でユチョン演じる刑事の相棒を演じてから。その後、出演作を増やし、今や引く手あまたの活躍だ。映画では主演を務めており、その実力の高さを窺わせる。
今旬といえば、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』で脇役ながら大ブレイクしたカン・ギヨンだろう。『キム秘書はいったい、なぜ?』ではパク・ソジュン、『私の恋したテリウス~A Love Mission~』ではソ・ジソブと、男性との相性もよく、彼が出てくると奇妙なブロマンスが形成されてしまう。デビュー作『ナイショの恋していいですか!?』では31歳にして高校生役に抜擢。ソ・イングク演じる主人公のアイスホッケー部の仲間として、わちゃわちゃを見せている。
ユニークで人のいいキャラクターの印象が強いカン・ギヨンだが、『ロボットじゃない~君に夢中!~』ではユ・スンホ演じる主人公の恋敵という“クールなイケメン”設定も経験あり。とはいえ、やはり十八番は、ちょっと笑えて、ほっこりさせる癒やしの存在。『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』のキャラクターでハマった人には、青春ドラマ『十八の瞬間』がオススメ。ガラスのように脆い高校生たちの心に寄り添う担任教師を不器用な優しさで表現している。
パク・ホサンといえば、『刑務所のルールブック』の詐欺賭博罪で刑を受けた手先の器用な囚人や、『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』の頼りない長男役で知った人も多いだろう。この2作で知名度をあげて以降、『無法弁護士~最高のパートナー』では敏腕検事、『女神降臨』では顔はいいが甲斐性がないヒロインの父親、『ペントハウス』では謎めいた男として登場。
実は、ミュージカル出身で、日本で公演をしたこともあるそう。『愛の不時着』『ヴィンチェンツォ』『ビックマウス』と、このところ活躍著しいヤン・ギョンウォンもミュージカル出身俳優。やはり舞台系は侮れない。
キム・ビョンチョルは『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』の高麗の奸臣にして悪霊役の強烈な印象が真っ先に浮かぶ。『SKYキャッスル』ではプライド高きロースクール教授役で、厄介な性格だがなぜか憎めない存在として愛された。『ドクタープリズナー』では“刑務所の王”と呼ばれる刑務所医療課長に扮し、主演クラスとして物語を牽引。「大ヒットの陰にキム・ビョンチョルあり」とまで言われた。
チェ・ウォニョンは、正統派二枚目俳優であり、愛人に惚けるダメ夫(『2度目の二十歳』)から優れた将軍(『善徳女王』)、卑劣な財閥会長(『スリーデイズ~愛と正義~』『ゴールデンスプーン』)まで幅広い。最近では『シュルプ』で威厳を取り戻すべく立ち上がる王に扮し、キム・ヘス演じる王妃との夫婦の絆を見せている。『あなたに似た人』ではコ・ヒョンジョン、『SKYキャッスル』ではイ・テランと、ヒロインの夫を演じることも多く、ダメ亭主か、理想のダンナか、毎回なにかしらの爪痕を残す。