ヒョンビンチャン・グンソクら、人気俳優のファンミーティングの司会を務めてきたアナウンサーで韓国エンターテイメント・ナビゲーター・田代親世と、『韓国TVドラマガイド』チーフエディター・高橋尚子が、ディープな韓流知識と韓流愛をもとに日々更新中のYouTubeチャンネル「ちかちゃんねる韓流本舗」から、気になる動画をピックアップして内容を紹介!

■韓ドラあるある「これだけは押さえておきたい名脇役」気になるあの俳優は?

 華やかな主演クラスの俳優より多く目にし、発見してはつい嬉しくなってしまうのが、名脇役たちだろう。とりわけ製作数の多い韓国ドラマでは、掛け持ちも当たり前。こちらでは善人を演じていたかと思えば、あちらでは卑劣な悪役を演じているなど、カメレオンのように作品ごとに色を変えてくるので、見ている方も「次はどっち?」と怪しみながら見ていく楽しみもある。

「ちかちゃんねる」で配信中の「これだけは押さえたい!魅惑の助演男優特集」では独断と偏見で、常に見かける「殿堂入りベスト5」、昨今活躍著しい「今旬!引く手あまたの5人」、田代親世と高橋尚子それぞれの「推し脇役」と、大きく3つにカテゴライズして紹介している。

〈1〉 殿堂入りベスト5

ソン・ドンイルアン・ネサンキム・ウォネイ・ギョンヨンキム・ガプス

『応答せよ』シリーズの父親役で知られるソン・ドンイル。人情味とユーモアに溢れる父親や上司役でおなじみの人だが、『青い海の伝説』では脱獄した殺人犯でチョン・ジヒョン演じる人魚のヒロインを危険な目に遭わせる恐ろしい役どころを演じている。また、『推奴~チュノ~』では小汚い格好で、チャン・ヒョク演じる主人公のライバル役を担い、強烈な印象を残している。

 アン・ネサンも、善人悪人の振れ幅が広い名優だ。『トキメキ☆成均館スキャンダル』では人格者で柔軟な思考により学生たちに新しい世界を見せていく成均館の博士(教授)を演じたかと思えば、『私の国』では冷酷な野心家の領議政に扮し、ヤン・セジョン演じる主人公を徹底的に虐げている。

 かと思えば、『恋の一撃ハイキック』では間の抜けた一家の大黒柱を演じ、爆笑を誘ったり、『無法弁護士~最高のパートナー』ではイ・ジュンギ演じる主人公の伯父役で泣かせるパートを担うなど、出てくるだけで心を引く存在感を放っている。

アン・ネサン『私の国』画像出典:JTBC

 キム・ウォネは、小市民的なキャラクターで味のある演技を見せる。それがどことなくコミカルで、不意打ちに泣かせにくるなど、出番は多くなくとも目が離せなくなる。『力の強い女 ト・ボンスン』では、ヒロインにやられっぱなしのヤクザとゲイの企画開発室チーム長を1人2役で怪演。また、『熱血司祭』では、謎のロシア人マフィアの“ウラジミール・コジャイェブ”という役を演じ、ぶっ飛んだキャラクターで物語を賑わせた。

 一方で、『恋するイエカツ』ではマンションの建て替えをひたすら待つ編集長役だったり、『キム課長とソ理事~Bravo! Your Life~』では海外で暮らす妻と娘にせっせと仕送りする健気な部長役だったりと、どこにでもいそうな小市民を表現。『あなたが眠っている間に』では、イ・ジョンソク演じる主人公の検事を支える係長を演じ、号泣させた。大ヒットサスペンス『シグナル』で演じた現場主義の刑事役以降、ドラマ界で活躍するようになったが、実は、ノンバーバルパフォーマンス(セリフのない劇)NANTAのパフォーマー出身というキャリアも興味深い。

キム・ウォネ『シグナル』画像出典:tvN

 イ・ギョンヨンといえば、悪役の大御所。それも中途半端な悪ではなく、信念を持った権力悪の代名詞的存在で、『ミセン-未生-』ではイム・シワン演じる主人公が働く大商社の冷徹な専務理事、『秘密の森』では大財閥の会長、『ヘチ 王座への道』では朝廷を陰で牛耳る政治派閥・老論派の長、『アゲイン・マイ・ライフ~巨悪に挑む検事~』ではイ・ジュンギ演じる熱血検事の前に立ちはだかる政界のドンと、常に権力のトップに君臨する役どころを担っている。それだけに、『ハベクの新婦』の大司祭役のような穏やかな良い役を演じると、驚かされもする。

 キム・ガプスも大御所中の大御所だ。彼もまた悪か善か読めないタイプで、『賢い医師生活』の病院理事長役で出てきた時は、また病院乗っ取りを企む嫌なヤツか、と身構えたが、まるで真逆の穏やかなキャラクターで安心させられた。『トキメキ☆成均館スキャンダル』ではパク・ユチョン演じる主人公の父で、老練な老論派の党首を威厳たっぷりに演じている。一方で、『恋のステップ~キミと見つめた青い海~』では田舎町の商業高校のダンス部で、問題だらけの生徒たちを温かく見守る顧問教師に扮し、ほろりとさせてくれる。