ーーソジンの上司で、かなり神経質なホテルのCEOヨンジン役は、『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』のイ・ドンウクさん、そんな彼と出会い、距離を縮めていくハウスキーパー、イヨンを『先輩、その口紅塗らないで』のウォン・ジナさんが演じています。
イ・ドンウクさんは、自分は笑わずにまわりを笑わせてくれるようなところがありました。また、完璧そうに見えて、意外に純粋な面があったり、まじめそうに見えて、意外にユーモアが好きだったりと、第一印象と違うところを持つ人です。そんなイ・ドンウクさんに、数字に強迫観念を持つ人物が似合うのではと思いました。
イ・ドンウクさんとは初めてお会いしたんですが、思っていたよりも大きくて(笑)。この映画では、まるで高層ビルのような彼の大きさをとらえることができたと思います。イヨン役のウォン・ジナさんは多芸多彩な俳優で歌もうまくダンスまでこなしてくれました。
ーー実際にお会いになって一番驚いた俳優は?
イ・グァンスさんです。想像とまったく違いました。テレビで見るととてもおもしろく、活発なイメージでしたが、実際は本当に口数が少なく、まじめな人でした。最初に会った時に「無口ですね」と声をかけたら、「はい。無口です」と答えてあとは黙っていました(笑)。おもしろかったですね。
ーーそれぞれに魅力のあるキャラクターですが、クァク・ジェヨン監督が一番思い入れを込めて演出したのは誰ですか?
カン・ハヌルさんが演じた宿泊客ジェヨンには私と同じ名前ということもあって、親しみを感じていました。他の役にはそれぞれかっこいい面がありますが、人生に絶望してホテルにやってくる彼だけが、負け犬のような役でした。そんな彼の設定にも、思い入れがあります。ジェヨン役のカン・ハヌルさんと、スヨン役のユナさんの演技のコンビネーションもよく、とてもお似合いの二人でした。
また、セジクとアヨンという高校生役を演じてくれたチョ・ジュニョンとウォン・ジアンも、映画は初めての俳優たちでしたが、きちんと練習して堂々と演じてくれました。多くの俳優さんが出演したので、おもしろくはあったのですがそれぞれと十分な会話をする時間がなかったのが残念でした。次の機会にじっくりと仕事をできたらと思っています。
(後編に続く)
●クァク・ジェヨン監督プロフィール
1959年生まれ。ハリウッドでもリメイクされた『猟奇的な彼女』(2001年)の大成功以降、『ラブストーリー』(2003年)、『僕の彼女を紹介します』(2004年)などの作品を発表。『僕の彼女はサイボーグ』(2008年)、『風の色』(2018年)といった日本映画も手がけている。
●『ハッピーニューイヤー』ストーリー
高級ホテル〈エムロス〉は、クリスマスと新年を祝うホリデームードに満ち溢れていた。 15年間も男友達への告白をためらっているホテルのマネージャー。 イケメンで優秀、だけどちょっぴりクセのあるCEO。 公務員試験に落ち続け、恋人にもフラれた就活生。 新米ハウスキーパーとして働く、夢破れたミュージカル女優。 下積みを経てついにスターの座へ登り詰めた、人気アーティスト。 仕事で出会い、超スピード婚へと突き進むラジオプロデューサーとピアニスト。 毎週土曜日、ホテルのラウンジでお見合いをする整形外科医。 初恋の相手と40年ぶりに再会したドアマン。 友人たちの告白チャレンジゲームに巻き込まれた高校生カップル。 数時間後に“ニューイヤー”が迫るなか、次から次へと舞い込んでくるドタバタ&ドキドキの数々。 果たして彼らのロマンスは“ハッピー”な来年を迎えられるのか!?
●映画公開情報
『ハッピーニューイヤー』12月9日より新宿ピカデリーほか全国公開
配給:ギャガ 公式サイト:https://gaga.ne.jp/happynewyear/
[2021年/韓国/138分]監督・脚本:クァク・ジェヨン『猟奇的な彼女』 脚本:ユ・スンヒ 出演:ハン・ジミン、イ・ドンウク、カン・ハヌル、ユナ(少女時代)、ソ・ガンジュン、イ・ジヌク
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