――今後どんな音楽を作ってみたいですか?

「自分自身を映し出すような音楽をやりたいですね。心とか気持ちとか……。これまでそういったものを見せてこなかったわけではないんですが、アイドル活動の時はコンセプトが決まった世界のなかで自分自身を表現する感じじゃないですか。でも、これからは自分の音楽を自分で作っていかなきゃいけないと思うので、今は自分自身に向き合う時間を大切にしていますね」

――ラジオ「火曜日のシンピナイト」での選曲も、毎回こう来たか!というもので、とても楽しみです。選曲のポイントはあるんですか?

「韓国でいま流行っている音楽を紹介するのも大事だと思うんですけど、まだ知っている人は多くないけど素敵な曲がたくさんあるので、そういう曲も紹介したほうがいいなと思っていて。自分が好きな曲で、ちゃんと韓国の文化も伝えたいなと思いながら選んでいます。おかげさまでラジオは長く続けさせていただいていますが、リスナーの皆さんに支えてもらっている番組だと思っています。ファンの皆さんが番組を楽しんで喜んでくれている以上に、きっと僕自身が支えられている。僕が逃げ出したくなったとき、居場所がないと感じて寂しくなったとき、いつでもこのラジオがあったから、ファンの皆さんのもとに戻れたし、つながっているんだと感じられています。なので、そういうラジオをずっと続けられて本当に幸せだし嬉しいですね」

撮影:宮田浩史

――日本での活動など、たくさんの夢を着実に叶えて来たと思いますが、いま夢を持って頑張っている人にアドバイスするなら?

「夢があっても、なかなかうまくいかない人もいっぱいいると思います。時間がたくさんかかることだと思うし、自分が考えていたより簡単に進む人もいれば、困難が多くて進みにくい人もいると思うんですけど、大事なのは諦めないことじゃないかと。諦めなければ、目標としているところまでは必ず行ける。人より歩みが遅いからといって、自分が間違ってるわけではないから。そう考えて、ゆっくりの自分を信じていけばいいと思います」

――深い言葉ですね。ご自身が時間をかけてじっくり目標を叶えてきたから、そういう言葉が自然と出るんですね。

「僕も時間がかかるタイプだから、諦めたいときはいっぱいあります。なにか達成したいとき人より遅いことで、自分はできないかもって思ってしまったら、疲れて諦めたくなってしまう。でも、亀みたいにゆっくりゆっくりでも一歩一歩進んでいれば、いつかたどり着くはずです」

――諦めたくなったとき、それでも頑張ろうと思う原動力はなにですか?

「目標にたどり着く自分を信じます。自分はこうなっているに違いないという姿を、いつも想像するんです。言葉にして口に出したりもします」

撮影:宮田浩史