――ハヨンをプロファイラーとしてスカウトしたクク・ヨンスを演じた、チン・ソンギュさんと共演されていかがでしたか? メイキングではすごく楽しそうでしたが…

 チン・ソンギュさんとは息がとてもよく合いました。以前、少しだけある作品で共演したことがあります。演技もお上手ですし、素敵な人柄の俳優です。一喜一憂せず、いつもひたむきな姿勢で作品に臨む俳優だと思います。現場では明るいエネルギーで現場を楽しい雰囲気にしてくれるんです。

――対立していた機動捜査隊1係2チームのチーム長ユン・テグ役を演じたキム・ソジンさんと共演されていかがでしたか?(『非常宣言』にも共演されていましたが)

 キム・ソジンさんとは映画『非常宣言』の時も、共演しながら魅力ある俳優だなと思っていました。現場では丁寧な姿勢で現実的な演技をしようと努力する俳優ですし、当時良いエネルギーをもらいました。次回作でも機会があればご一緒したいと思っています。

――ご自身のシーンで、一番気に入っているシーンと、その理由を教えてください。

 ソン・ハヨンがク・ヨンチュンとの接見後に、苦しみながら「なぜ、俺を?」と聞くシーンがあります。ソン・ハヨンにとって一番人間的なセリフだと思いました。ソン・ハヨンも犯罪者もみんな人間です。机一つを間に置いて、刑事と犯罪者としてではなく、面談者と被面談者として会わなければならない本人の存在の本質に対する苦悩が込められたセリフだと思います。この一文が、ソン・ハヨンが「プロファイラー ソン・ハヨン」として生きて行く自分の誓いだと考えました。

 また、ソン・ハヨン役を演技する僕にとっても最後の撮影まで途切れることなく投げかけた質問でした。

「なぜ、俺を?」

 暮らしながら遭遇する全ての物事は本人の意思で選択し、決定することが生活であり人生であると思います。そんな側面から犯罪者も同じように自身の意思で起こす事件であるため、このシーンが、これら全てのことに通ずるメッセージではないかと思っています。

『悪の心を読む者たち』©SBS