「プロファイリング」という概念が浸透していなかった1990年代後半を背景に、韓国初のプロファイラーとして道を切り開いた男の奮闘を描いたサスペンスの傑作『悪の心を読む者たち』。

 犯罪者の心理を読み解き、犯人逮捕に挑んでいく主人公ソ・ハヨンの苦悩と静かな情熱を、抑制のきいた演技で魅せたキム・ナムギルが、本作への思いを語った。(インタビュー全2回掲載のうち後編)

★キム・ナムギルProfile

 1980年3月13日生まれ。184cm。1999年、若手俳優の登竜門とされた学園ドラマシリーズ、『学校』でデビュー。イ・ハンという芸名で活動後、2008年の映画『カン・チョルジョン 公共の敵1:1』出演を機に本名キム・ナムギルで再スタート。09年の大ヒット時代劇『善徳女王』のピダム役でブレイク。続く『赤と黒』では主演に抜擢、タフでセクシーな“危険な男”の魅力で多くの女性たちを虜にした。

 代表作に『医心伝心〜脈あり!恋あり?』(2017年)、『熱血司祭』(2019年)、映画『感染家族』(2019年)、『非常宣言』(2022)など。最新ドラマ『アイランド』がPrime Videoで配信中。Netflixオリジナル作品『剣の詩』が2023年第3四半期(7月〜9月)配信予定。

■主演キム・ナムギルが語る!『悪の心を読む者たち』お気に入りシーン&見どころ

――感情を抑えた乾いた演技や、共感性が高いが故に徐々に悪に飲み込まれていく姿が印象的でした。ソン・ハヨンを演じるにあたって何か心がけた点や努力した点はありますか?

 連続殺人魔に対する感情が同化しないように、犯罪者たちを理解はしてもいいけれど、受け入れはしないこと、事件に対して、客観的な観点で見つめ、事実だけをお見せしようと努力しました。

――キム・ナムギルさんご自身は共感性が高いほうなのでしょうか?

 ケースバイケースだと思います。対象、時期、タイミングによって違うので、共感能力は相対的だと思います。

――演じられたソン・ハヨンとご自身との似ている点はありますか?

 全ての事件をもう少し客観化して見ようとする部分は似ていると思います。そして、何よりも自分を客観化する気質は似ていると思いました。

『悪の心を読む者たち』@SBS