“キス職人”の異名を持つロマンス俳優、ソ・イングクをはじめ、若手演技派チャン・ドンユン、『還魂』『空から降る一億の星』などで日本でも人気のチョン・ソミン、『応答せよ』シリーズの名優ソン・ドンイルら、韓ドラファンにはたまらない顔ぶれが集結した話題のバイオレンス・サバイバル・アクション映画『オオカミ狩り』。
先の読めない展開、俳優たちの演技バトル、凄まじいサバイバルアクションで、今年4月7日に公開されて以来、大盛況を呼んでいる。斬新なストーリー、豪華キャスティングについて、本作の企画者でもあるキム・ホンソン監督に話を聞いた。
■ソ・イングク主演『オオカミ狩り』キム・ホンソン監督インタビュー
――先の予想がつかず、引き込まれるように見ました。フィリピンに潜伏する犯罪者たちを韓国に送還したというニュースから発想を得たそうですが、どのようにして、ここまでスケールが大きく緻密なストーリーに着想を広げたのですか。
「おっしゃるとおり2017年にフィリピンにいる犯罪者たちを韓国へ送還したというニュースをテレビで目にし、興味が引かれて脚本を書いてみようと思ったんです。ただ、それだけでは、捕まえて韓国に連れ戻したら話は終わってしまいますよね。なので、何か他の物語を付け加えたいと思いました。
そこで思い出したのが、2007年に新聞で読んだ記事でした。第二次世界大戦の時に東南アジアで人体実験が行われていたというもので、読んだとき非常に胸を痛めたことを記憶しています。それで、もしそのときの人体実験によって改造された人間が生き残っていたらどうだろう、と想像したんです。改造人間が送還用の船の中にいたらどうだろう?とアイデアを膨らませ、脚本を練っていきました。
それと、実は改造人間に関しては昔から関心があったんです。『仮面ライダー』も大好きでしたし、以前から日本ではそういう物語を作られていますよね。なので、送還のニュースを見たとき、『人体実験による改造人間』というもうひとつのモチーフを付け加えてみたらどうだろうと思い浮かんだんです」
――異なる事件を掛け合わせていくという発想が面白いです。アイデアの源泉はどういうところから得ているのですか?
「韓国の人たちは実際にあった話、実話がベースにある物語を好みます。映画でもドラマでもそうで、記録として残っているものをもとにした作品に関心を示すんです。僕自身もニュースを見るのがとても好きで、事務所にいる時は一日中テレビをつけっぱなしにしていますが、そうやって、社会で起きたこと、ニュースにアンテナを張り巡らせています。
また、僕は日本のドラマや映画もよく見ていて、『1リットルの涙』や木村拓哉さんの『ビューティフルライフ』『GOOD LUCK!!』も大好きです。そういった好んで見てきたものが体に染み付いていて、アイデアにつながっていくことも多いですね」