――キャスティングも豪華で絶妙でした。この俳優がまさか……というように、いい意味で裏切られるような配役だったと思いますが、俳優たちはそれぞれ、どういった理由と経緯でキャスティングされたのですか。
「キャスティングというものは、こちらが望んだから叶うものでも、俳優がやりたいといって叶うものでもなく、さまざまな条件がそろったときにようやく叶うものです。そういう意味で、今回は本当に運命的なキャスティングになったと思います。
まず、ソ・イングクさんについては、僕自身、彼の過去の作品がとても好きで、いつか一緒に作品を取りたいと思っていました。今回のプロデューサーがイングクさんの所属事務所の代表と親しかったこともあって、話を持っていくことができたんですが、正直なところ、僕は当初、彼はドラマで忙しいだろうとダメ元覚悟だったんです。
なるべく早く返事が欲しいと思っていたのですが、事務所の代表に台本を渡して2日後に、ソ・イングクさんからやりますと言う返事をもらうことができました。彼自身悪役をやったことがなくて、いつかやりたいと思っていたそうで、彼のタイミングにもちょうど合ったようです。シナリオも気に入ってくれたので、すぐに返事をくれたんだと思います。
実写のキャラクターは、アニメではないので、俳優が演じることによって初めて完成するものです。今回、イングクさんにはジョンドゥというキャラクターを演じてもらいましたが、彼が演じてくれたことによって、100%のもの、いえ100%以上のものができあがったと思っています。とってもセクシーで、悪の面もある一方で純粋な面もある、"純粋なワ““”とでもいうようなキャラクターになったんじゃないかと。
彼自身、非常にチャーミングなところがあったり、男らしいところがあったりと、いろいろな面があるんですよね。そのうえ、彼は今回の悪役をとても楽しんでやってくれました。それがまたよかったですね」