――監督が思い描いていたジョンドゥと、イングクさんが作り出してきたジョンドゥで、イメージが違った部分はありますか?100%以上の完成度だったということですが、想像を超えてきた部分はどんなところでしょうか。

「僕が求めていたジョンドゥは、ちょっといたずらっこなところがあるような人物でした。例えて言うと、日本のドラマ『ごくせん』に出てくる不良のリーダーのような。つまり男らしく義理がたいところもあって、冷静なときは非常に冷静、冷たい時には非常に冷たい、“純粋な悪”とでもいうような、そういうイメージを持っていました。

 一方で、理由もなく人を殺すという側面もあり、そこを悪いと思っていない。サイコパスやソシオパス以上の悪ともいえます。そんなイメージでシナリオを書きましたが、イングクさんだったら十分に表現してくれるだろうと思ってシナリオを彼に渡したんです。これまでに一緒に作品をとった俳優なら、ある程度あて書きをしたと思いますが、今回初めてだったので、僕が作り上げたイメージのキャラクターを彼がうまく形にしてくれました。

 僕は過去に一緒に作品を撮った俳優については、当て書きをするケースが多いです。今回なら、ソン・ドンイルさんやコ・チャンソクさん、チャン・ヨンナムさんがそうですね。なので、次にイングクさんと一緒に作品を撮るとなったら、おそらく当て書きをするでしょう」

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