ロウンは脇役で着実に俳優としてのキャリアを積んだのち、2020年の青春ファンタジー『偶然見つけたハル』で初主演に輝く。漫画の中の登場人物「ハル」という役どころで、ナイーブで儚げな王子様キャラを体現し、ブレイクのきっかけになった。
2022年7月に行われた初の日本ソロファンミーティングで、「もう一度、ああいう作品に会いたい」とロウン自身が語っていたほど思い入れのあるドラマだ。俳優として悩むたびに、この作品を見て当時の情熱を思い出すのだそう。
この勢いに乗って出演したのが、本作『先輩、その口紅塗らないで』(2021年)だ。本格的な大人のロマンスに初めて挑むことになり、最初に悩んだのが、タイトルにあるセリフが出てくる序盤のシーンだそう。
社内で秘密恋愛をしているソンアが、彼氏に会う際は必ず同じ色の口紅を塗って出かけることを知ったヒョンスン。ソンアを引き止めるその場面で指で彼女の口紅を拭い、「先輩、その口紅塗らないで」と真っ直ぐな眼差しで告げるヒョンスンに完オチ必至だ。
物語のカギになるシーンだと考えたロウンは、口紅の拭い方を研究し、人差し指で試したり、いろいろなバリエーションをやってみたとか。親指で拭うのが一番自然だと思い、あの胸キュンシーンが誕生したという。ちなみに、本作を演じるに当たって、参考のためにたくさんの日本映画を見て研究するなかで、いつか言葉を習得して日本の作品に出たいという夢ができたそうだ。
その後も、パク・ウンビン主演の王宮ロマンス『恋慕』(2021年)ではカッコ可愛い文官を好演。
さらに、あの世の死神たちが働く会社「走馬灯 魂管理部」の新米契約社員を演じた『明日』(2022年)では、大女優キム・ヒソンを相手に“純粋な新米部下”を人間味たっぷりに演じた。ちなみに、初のファンミーティングでは理想の俳優像について、「格好つけない俳優。挑戦することをためらわず、自由に演技する俳優でありたい」と語っていたロウン。
次回作として、家族にかけられた呪いを解くべく奮闘するエリート弁護士と、不思議な力を持つ熱血公務員が繰り広げるロマンス『この恋は不可抗力 (Destined with You)』が待機している。果たしてどんな姿で魅せてくれるのか、期待が高まる。Netflixでこの秋配信予定で、“ロウンの時代”はまだまだ続きそうだ!
●『先輩、その口紅塗らないで』ストーリー
大手化粧品メーカーKLARの企業説明会でソンアに一目惚れしたヒョンスンは、彼女が勤めるKLARに就職。マーケティングチームに配属され、ソンアの下で働くことに。ときめくヒョンスンだが、ひょんなことから彼女が直属の上司ジェシンと周囲には隠して交際していることを知る。ソンアの幸せのために諦めようとするヒョンスンだが、ジェシンが他の女性と結婚の準備をしていることを知り、彼女を守るためにある行動に出る。
●作品情報
『先輩、その口紅塗らないで』
[2021/韓国放送全16話、日本版全32話] 演出:イ・ドンユン『運命のように愛してる』、ラ・ハナ 脚本:チェ・ユン『ただひとつの愛』
出演:ロウン(SF9)、ウォン・ジナ、イ・ヒョヌク、イ・ジュビン
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