■『パク・ハギョンの旅行記』に登場した美しい夕景を楽しめる寺

 タンクッ村から車で25分ほど北東へ向かうと、達磨山(タルマサン)の西側に建つ美黃寺(ミファンサ)という寺がある。『パク・ハギョンの旅行記』に登場した寺で、統一新羅時代の749年に創建された朝鮮半島最南端の寺院だ。

 寺の本堂にあたる大雄寶殿(テウンボジョン)は、丹青(宮殿や寺院などに施す彩色)が剥がれた侘び寂を感じさせる本殿とその背後にある切り立った岩山とのコントラストが、たまらなく素晴らしかった。

現在は解体補修工事中の美黃寺の本堂である大雄寶殿(2018年10月撮影)

 ドラマの中では補修のため解体されていたが、実際に昨年より270年ぶりの解体補修工事中で、2024年に補修完了予定だそうだ。

 美黃寺といえば、夕景の名所としても有名だ。沈みゆく太陽の日を浴びて、南海(ナメ)に浮かぶ島々がまるで空に浮かぶ雲のように茜色に染まる。その光景は息を飲むほど美しい。

南海に浮かぶ島々が夕日に染まる光景が美しい美黃寺の夕景

 夕食は、タタミイワシの作業をしていたアジュンマ(おばさん)が勧めてくれた食堂で、店主が釣った鮮魚を楽しんだ。ヒラメの海鮮丼と韓国の秋の味覚である香ばしいコノシロの塩焼。いずれも鮮度抜群で心に染みた。

店主が釣った魚を提供する食堂で新鮮な海の幸を楽しむ

●タンクッマウルへのアクセス

 ソウル高速バスターミナルから海南バスターミナルまで約4時間50分、海南バスターミナルからタンクッマウルまで約50分