超人的な特殊能力をもって生まれた3人の高校生と、壮絶な過去を秘めた彼らの親たちが迫りくる危機に立ち向かうヒューマンアクションドラマ『ムービング』。同名ウェブコミックが原作のディズニープラス スターオリジナル作品で、VFXを駆使した驚異的なアクションシーンの数々と、トップスターたちの豪華競演で“韓国版『アベンジャーズ』”とも例えられ、世界的なヒット作となっている。
キャスト、作品性、制作規模とすべてが破格の本作で、愛する我が子のために闘いを決意する元秘密要員という難役に挑んだ、韓国トップ俳優3人に話を訊いた。(記事全2回のうち前編)
■豪華共演!『ムービング』リュ・スンリョン、ハン・ヒョジュ、チョ・インソン〈インタビュー〉
――お三方は自身の子供たちに超能力の遺伝子を継承することになる、この壮大なストーリーのいわば“始まり”と“背景”を作り上げるキャラクターだと思います。ご自身の役柄の演技プランをどのように組み立てたか教えてください。
リュ・スンリョン 最初に台本を読んだとき、すごく胸騒ぎがするような感じで興奮しました。だから出演しない理由はなかったです。原作コミック自体、非常にきめ細かい役作りがされていたので特に苦労することはなかったのですが、無限再生能力を持つ役として、ただ無限に再生するだけで終わるのではなく、チャン・ジュウォンのなかにある苦痛や苦しみを表現することに気を配りました。
ハン・ヒョジュ イ・ミヒョンは卓越した五感の持ち主で、母としての顔も持っているし、20代のころには安全企画部の秘密要員の顔も持っています。時代ごとに様々な顔を見せないといけなかったので、台本を読んだときは「この役に挑戦したらすごく面白そう!」という欲が出ました。ミヒョンを演じるにあたり、どういう変化をつけていけばいいのか、その辺には随分とこだわりましたし、そのためにメイクチームや監督さんたちともいろいろ相談して、サポートをしていただきました。
チョ・インソン 僕が演じたキム・ドゥシクは、飛行能力を持つ人物ですが、彼にはふたつの顔があり、秘密要員としての姿と、恋に落ちている姿を分離して演じようと思いました。秘密要員としてミッションを遂行する時には、人をこれ以上、銃で撃ち殺したくないという気持ちが芽生えたんじゃないかな? と思い、彼にヒューマニズム的要素を加えようと思いました。一方で、ミヒョンと出会ってからは、ドゥシクが自分では気がつかなかった純粋な素の姿を表現するようにすれば、もっとキャラクターに奥行きが増すだろうと思いながら演じました。