●クァク・ソニョン(ファン・ジヒ/チャン・ヒスの母)
『賢い医師生活』の陸軍少佐役や『エージェントなお仕事』の気丈なチーム長役が記憶に新しいが、『ムービング』での田舎のやさぐれた茶房アガシは意外なハマリ役だった。
ジュウォン(リュ・スンリョン)とのなれそめは、ファン・ジョンミンとチョン・ドヨンの映画『ユア・マイ・サンシャイン』を彷彿とさせた。
●キム・ソンギュン(イ・ジェマン/イ・ガンフンの父)
映画デビュー作『悪いやつら』でヤクザの若頭(ハ・ジョンウ)の手下を演じて以来、目力俳優としてコンスタントに映画やドラマに出演。最近は『離婚弁護士シン・ソンハン』の事務員役、『D.P. -脱走兵追跡官-』の中間管理職役、『ソウル・バイブス』の裏社会幹部役など、演技の幅を広げている。
『ムービング』では珍しく社会弱者を演じた。高架路があった時代の清渓川で、チゲ(背負子)を背負って大荷物を運ぶシーンはなかなかサマになっていた。
●チャ・テヒョン(チョン・ゲド/バス運転手)
『ムービング』で、イナズママンという子供向けのヒーローと、路線バスの運転手という両極端な役を演じ切ったチャ・テヒョンもいつのまにか40代後半に。チョ・インソンと共演しているバラエティ『見習い社長の営業日誌』も人気を集めている。
童顔が幸いしていまだに若者を演じているが、代表作といえるのは公開から20年以上経っても色あせない映画『猟奇的な彼女』。気の強い彼女(チョン・ジヒョン)に振り回されるキュートなダメ男の演技は、ここ数年でチャ・テヒョンを知った人にぜひ観てほしい。
●ムン・ソングン(ミン・ヨンジュン/国家安全企画部)
『ムービング』最大の悪役に扮するムン・ソングンは、「韓国のインテリ俳優といえば?」と問えば、多くの人が彼の名前を挙げるはず。本作でも、部下役のハン・ヒョジュ、チョ・インソン、リュ・スンリョンとの緊張感のあるやりとりは見せ場のひとつだ。
日本の韓国映画ファンには、ホン・サンス監督、イ・ソンギュン&チョン・ユミ主演映画『教授とわたし、そして映画』などの気難しいインテリ役のイメージが強いかもしれないが、悪役も大変魅力的で、イ・チャンドン監督のデビュー作『グリーン・フィッシュ』のクールな組頭役は必見だ。
●配信情報
『ムービング』ディズニープラス スターにて独占配信中
毎週水曜2話ずつ配信
[2023年/全20話]演出:パク・インジェ、パク・ユンソ『キングダム2』 脚本:Kang Full
出演:リュ・スンリョン、ハン・ヒョジュ、チョ・インソン、イ・ジョンハ、コ・ユンジョン、キム・ドフン
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