さて、そんなユン・ゲサンの最新作『誘拐の日』は、日本でも翻訳版が発売されている同名小説の映像化作品だ。今作でのユン・ゲサンは、娘思いの優しい、でもちょっと抜けたところのある男キム・ミョンジュン役。数字を覚えたりすることが苦手で、とっさの判断も苦手。その彼が、闘病中の娘の治療費を得るために、元妻が企む誘拐に手を貸してしまうのだが……。

 記憶を失っていながらも超生意気な口調で、何カ国語も操り、物事の状況把握も素早いロヒ。片や、気弱で優しいまぬけな誘拐犯。この凸凹バディが絶妙だ。いかにもいけてない男ミョンジュンだが、そのダメっぷりが見事! 

 一方で、娘思いの父親ぶりも本物。天才少女ロヒにやられっぱなしにもかかわらず、彼女の賢さに関心し、ときには一緒に喜ぶ無邪気さ、そして孤独な彼女を思いやる優しさなど、さまざまな表情がみられる。さらに、元柔道選手という役まわりでいざというときの強さも魅力だ。

 誰かによって仕組まれた誘拐&殺人事件。その真相はなんなのか。先の読めない展開であることはもちろんなのだが、2人がどうやって真相に向き合い、力をあわせて立ち向かっていくのか見届けたい。

『誘拐の日』(C)ASTORY Co.,Ltd (C)KT StudioGenie Co.,Ltd (C)ENA

●配信情報

Amazon Original『誘拐の日』Prime Videoにて独占配信中

配信日:毎週水曜日・木曜日(予定)

[2023/全12話]原作:チョン・ヘヨン 演出:パク・ユヨン『模範家族』(共同) 脚本:キム・ジェヨン『ミス・ワイフ』(映画)、『チーズ・イン・ザ・トラップ』(映画)

出演:ユン・ゲサン、ユナ、パク・ソンフンキム・シンロク

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