ヨンの運命の相手で、妖怪退治の相棒となっていくヒロイン、ジアには、『この恋は不可抗力』での前世の因縁を背負って生きるヒロインを演じているチョ・ボア。怪談番組のプロデューサーである彼女と九尾狐のヨンが、人間界に潜む悲しき妖怪たちと対峙していくエピソードも興味深い。2人の過去の因縁、互いを守るための命がけの選択も切なく、胸を締めつける。
もう1つの見どころが、実はお兄ちゃんが好きすぎるあまり反発してしまう異母弟ランと、弟が愛おしくてたまらない兄ヨンの関係。過去のある出来事により確執が生じ、戦いを繰り広げる2人だが、それも愛の歪んだ形。
窮地に陥った彼らが見せる兄弟愛には、『トッケビ』のキム・シン(コン・ユ)×死神の関係に通じるものがあり、ヒロインとのロマンス以上に萌えるポイントになっている。
なお、本作は、1938年を舞台にした続編『九尾狐伝1938』(2023年)も作られ、ヨン&ランの活躍も見られるので、合わせて堪能したい。
●『九尾狐伝』ストーリー
怪談番組のプロデューサー、ナム・ジア(チョ・ボア)は、取材先の結婚式場で赤い傘を持った男にい遭遇する。妖の気を感じ取ったジアは男を追うが、彼こそ幼い頃に彼女の命を救った九尾狐イ・ヨン(イ・ドンウク)だった。
過去に犯した罪の代償により人間界で妖怪退治の役務をこなすヨンは、600年ものあいだ、初恋の女性アルム(チョ・ボア/1人2役)の生まれ変わりを待ち続けていた。そんななかで目の前に現れたジアにアルムを重ね、放っておけないヨン。さらに、ヨンの腹違いの弟イ・ラン(キム・ボム)が、ある思惑を抱いてジアの前に現れる。
●作品情報
『九尾狐伝』
[2020年/全16話]演出:カン・シンヒョ『相続者たち』、チョ・ナムヒョン 脚本:ユ・ジョンヒ『悪の花』
出演:イ・ドンウク、チョ・ボア、キム・ボム、ファンヒ
(C) STUDIO DRAGON CORPORATION
※『九尾狐伝1938』Prime Videoで独占配信中