■17位 アン・ソンギ(1952年生まれ)/チョン・ジヒョン(1981年生まれ)

 50代以上なら「映画俳優といえばアン・ソンギ」という人が少なくない。ここ数年は体調不良で出演作が少ないにもかかわらず、17位にランクインしているのがその証拠だ。子役として1957年から映画に出ている彼の演技力が見たければ、1980年代を代表する女優チャン・ミヒとともに苦悩する在米コリアンを演じた『ディープ・ブルー・ナイト』、『涙の女王』でモ・スリに扮したイ・ミスクの兄貴分を演じた『鯨とり コレサニャン』、『ザ・キング 永遠の君主』のチョン・ムソンと共演したロードムービー『神様こんにちは』、1980年代から90年代の青春スター、パク・チュンフンと共演した『チルスとマンス』や『ラジオスター』、チョン・ウソン扮する棋士の師匠を演じた『神の一手』を観るとよいだろう。

 チョン・ジヒョンは、Netflix人気作『涙の女王』のキム・スヒョンと共演した『星から来たあなた』の印象が強いが、時代を超えて愛されるラブストーリー『猟奇的な彼女』のチャ・テヒョンの相手役を今でも代表作と挙げる人も多い。また、キム・ヘスの妹分に扮した『10人の泥棒たち』は、長い手足を生かした演技とスケールの大きな存在感が存分に発揮された作品だ。

■19位 ハ・ジョンウ(1979年生まれ)

 早くもベテランの風格があるハ・ジョンウだが、40代半ばなのでまだ伸びしろがありそう。Netflix『ナルコの神』にも出ているが、この年代にしては珍しく映画の印象が強い俳優だ。

 彼の演技力に対する評価が定まった作品としては、子役時代のキム・ユジョンと共演した『チェイサー』、名優チョン・ドヨンとの会話だけで映画を成立させた『素晴らしい一日』、チェ・ミンシクの悪のバディを演じた『悪いやつら』などが挙げられる。韓国では『非常宣言』に次ぐ航空パニック映画『ハイジャッキング』(ヨ・ジングチェ・スビンと共演)が今月公開されたので、そちらも楽しみだ。

 なお、この調査の質問は「好きな映画俳優」なので、2000年代前半の映画界ではソン・ガンホと双璧で、最近でもイ・ソンギュンと共演した『キングメーカー 大統領を作った男』、ピョン・ヨハンと共演した『茲山魚譜 チャサンオボ』、チョン・ドヨンと共演した『キル・ボクスン』など、評価の高い作品に出演したソル・ギョング(1967年生まれ)が上位に入っていないのが不思議だ。しかし、今月Netflixドラマ『旋風』(キム・ヒエと共演)が配信されるので、再び脚光を浴びるだろう。