韓国の世論調査会社「韓国ギャラップ」が今春、全国の満13歳以上の韓国人1777人に、「好きな韓国映画俳優は?」という面接調査をした。その結果から、12位から19位までに入った俳優を見てみよう。「好きな映画俳優は?」という質問だが、今の時代、テレビや配信ドラマでの活躍が俳優の印象を大きく左右しているようだ。(「韓国人が好きな韓国映画俳優」記事全3回のうちの3回目)
■12位 ユン・ヨジョン(1947年生まれ)/コン・ユ(1979年生まれ)
ユン・ヨジョンは1971年からスクリーンで活躍しているベテラン女優。米国アカデミー賞で助演女優賞を獲った『ミナリ』の印象が強いが、ムン・ソリと共演した『ハハハ』、チョン・ドヨンやイ・ジョンジェと共演した『ハウスメイド』、ユン・ゲサンと共演した『バッカスレディ』、ハン・ソッキュと共演した『その時の人達 有故大統領』での凄みのある演技は必見だ。
“国民の母”と呼ばれる女優の一人だが、イ・ミスクやチェ・ジウと共演したセミドキュメンタリー映画『女優たち』での発言によれば、本人はその称号は好きではないそうだ。人気バラエティ『ユン食堂』シリーズで、イ・ソジンやパク・ソジュンら人気俳優にあれこれ指示するマイペースな姿も楽しい。
コン・ユは韓国を代表する美男俳優で、演技派という印象はあまり強くないが、世界的大ヒット作『新感染 ファイナル・エクスプレス』で見せた、娘と二人で危機を乗り越えようとすることで人として父として再生していく演技は涙を誘った。最近では、韓国で今春に公開されたタン・ウェイ、ペ・スジ、パク・ボゴム、チョン・ユミ、チェ・ウシクら、豪華キャスト共演映画『ワンダーランド』に特別出演している。
ドラマでも『コーヒープリンス1号店』『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』など大ヒット作があるが、来月配信予定の『イカゲーム2』で再び注目されるだろう。
■14位 ハン・ソッキュ(1964年生まれ)
いまどきの韓流ファンには『浪漫ドクター キム・サブ』の印象が強いらしいが、1990年代後半は「興行の保証手形」と呼ばれ、今のソン・ガンホやファン・ジョンミン以上のスーパースターだった。2002年の『二重スパイ』以降、失速した感は否めないが、韓流以前に、日本の映画ファンにも高く評価されたラブストーリー『八月のクリスマス』は、映画関係者が選ぶ「韓国映画オールタイムベスト100」で8位にランクされる名作なので、ぜひ観てほしい。
■15位 ヒョンビン(1982年生まれ)
韓国ドラマ界で数多くのヒット作を生み出してきたヒョンビン。映画では、ユ・ヘジンとコンビを組んだ『コンフィデンシャル/共助』『コンフィデンシャル/国際共助捜査』以外、突き抜けたヒット作はないので、やはり北朝鮮兵士を演じた大ヒットNetflixドラマ『愛の不時着』効果というべきだろう。その前年、ソン・イェジンと共演した映画『ザ・ネゴシエーション』のマフィアのボス役のような極悪人を、またスクリーンで観てみたい。
■16位 ソン・ジュンギ(1985年生まれ)
『コンクリート・ユートピア』のパク・ボヨンや『破墓』のイ・ヨンナンと共演した映画『私のオオカミ少年』をヒットさせた美男俳優。昨年公開の映画『このろくでもない世界で』(日本では今夏7月公開)でのヤクザ役で新境地を開拓したが、やはり、大ヒットドラマ『太陽の末裔 Love Under The Sun』『ヴィンチェンツォ』『財閥家の末息子』の印象が強い。気がつけばもうすぐ40代、今後の大人の骨太な演技が楽しみだ。