このように、ムジンの再登場によってエヨン、ミレ、ヒョンジェが別々に暮らすことになった。これは家族の分離を示すものだろうか。いや、違う。『家いっぱいの愛』はもっと肯定的に家族の変化を描いている
「家族だからといって自分を抑えて一緒に住まなければならないのか」
「本当に自分がやりたいことがあれば、一人で自由に伸び伸びと暮らしたほうがいいのではないか」
そういう問いかけをドラマは持っていた。結果を見ると、ムジンが幸せだった3人の生活を壊したわけではなかった。逆に、家族のそれぞれが自分を大事にする生き方を求め始めたことを示したのだ。
ムジンは常に自省して二度と同じ過ちを繰り返さないように努めていた。かつてのプロ野球の仲間からバカにされても、マンションの住民から敬遠されても、彼はずっと耐え忍んでいた。
その姿をエヨンはよく見ていた。たとえ、どんなに愚かなことを仕出かしても、張本人が気持ちを入れ替えて周囲の信頼を勝ち取るために努力すれば、再び家族は新しい暮らし方を見つけていけるのではないか。そのことを示してくれたのが、『家いっぱいの愛』でとても重要なところだった。
●配信情報
Netflixシリーズ『家いっぱいの愛』独占配信中
［2024／全12話］演出：キム・ダイェ 脚本：キム・ヨンユン『じれったいロマンス』
出演：チ・ジニ『サバイバー：60日間の大統領』『アンダーカバー ～君を守りぬく～』、キム・ジス『リセット〜運命をさかのぼる１年〜』『ハイクラス〜偽りの楽園〜』、ソン・ナウン『ゴースト・ドクター』『ポジション〜広告代理店の女王〜』、ミンホ（SHINee）『ザ・ファビュラス』『花郎〈ファラン〉』、ユンサナ（ASTRO）『クレイジーラブ』
