韓国で観客動員数1200万人を記録した大ヒット作『破墓/パミョ』。怪しい墓を掘り返した風水師、葬儀師、2人の巫堂(ムーダン)に起こった奇怪な出来事を描く、これまでにないサスペンス・スリラーだ。

 韓国を代表する名優チェ・ミンシク、『トッケビ 〜君がくれた愛しい日々〜』のキム・ゴウン、『ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜』のイ・ドヒョン、映画界のヒットメーカーのユ・ヘジンという豪華キャストが、熱演を繰り広げるのも見逃せない。

 そんな本作で“墓を見る風水師”キム・サンドク役を演じたチェ・ミンシクが、映画では18年ぶりに来日。待望の日本公開前に行われたインタビューをお届けする。(インタビュー記事全2回のうち前編)

■「映画は“監督の芸術”。私が『破墓/パミョ』への出演を決めたのもチャン・ジェヒョン監督だからです」

――本作は、風水師、葬儀師、巫堂たちを主人公にした、とても斬新なサスペンス・スリラーです。こういったジャンルの映画は初めてだったそうですが、出演しようと思った決め手は?

「一番の理由は、チャン・ジェヒョン監督です。実は私は普段は怖いものが苦手なのですが、チャン・ジェヒョン監督が以前に手掛けた『プリースト 悪魔を葬る者』や『サバハ』がとてもよかった。それらの作品を観て、魂や宗教など目に見えない観念的なものを説得力のあるドラマに仕上げることができる、実力のある監督だと思っていました」

――作品を選ぶ際、監督の存在は重要ですか?

「とても大切です。映画は“監督の芸術”と言いますよね。俳優がどんなにすばらしい演技を見せたとしても、監督がうまく撮ってくれなければ、いい作品にはならないと思います」

――今回演じたキム・サンドクは現代の風水師で、特に装束もなく、外見では判別できないキャラクターです。どう表現しようと思っていましたか?

「おでこのところに『風水師』と書くわけにもいきませんから(笑)、平凡に見えるけれど、自然と向き合うときには真剣で深みがあるところを出したいと思いました。山での撮影の際には、周囲に視線を配ったり匂いを嗅いだり、昆虫の触覚のようにレーダーを働かせて、山のパワーそのものを感じるようにして演じていました」

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