――土をなめたり、味わったりするシーンが印象的でした。

「キム・サンドクの専門性を強調するシーンとして取り入れました。一般的ではないようですが、なかには土の味を見るという風水師の方もいるんだそうです。良質な土地であれば、お味噌のように香ばしい味がしますが、悪地の場合は、少しなめただけで胸がむかつくような味がするそうです。

 もちろん、撮影では本物の土はなめていませんよ。 あれはチョコチップで作った土で、“おいしい(日本語)!”。ただ、美術チームの方があまりに土の色と同じに仕上げてくださったので、どこからどこまでがチョコチップなのかわからなくなって困ったこともありました……(笑)」

――実際に撮影中にオカルト的なハプニングが起こったことは?

「オカルトとつながりがあるかはわかりませんが、実は倒れ込むシーンを撮った時にあばら骨にひびが入ってしまったのですが、終盤の重要なシーンもその状態で撮影していました。でも、アクションのある映画にケガはつきものですし、特に撮影自体には支障はありませんでしたね。韓国の俳優はみんな強度なアクションへの耐性がありますから。

 私以外の話で言えば、巫堂ファリム役キム・ゴウンさんには劇中のお祓いの儀式などを教えてくださる師匠がいたんです。その方はおばあさん役で出演もしていたのですが、撮影現場に来るたびにマッコリを撒いてお清めをしてくださっていました。そのおかげもあって、大きな事故もなく撮影を終えることができたのかもしれません」(後編に続く)

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●チェ・ミンシク プロフィール

1962年4 月27 日生まれ。『九老アリラン』(1989年)で映画デビュー。『シュリ』(1999年)で大きく注目され、『オールド・ボーイ』(2003年)で青龍映画賞大鐘賞の主演男優賞を獲得。代表作は、『クライング・フィスト』(2005年)、『悪いやつら』(2012年)、『新しき世界』(2013年)、『バトル・オーシャン/海上決戦』(2014年)、ドラマ『カジノ』(2022~2023年)など。

●『破墓/パミョ』ストーリー​

 跡継ぎが代々謎の病気にかかるという米国在住の裕福な家族から、巨額の報酬で依頼を受けた巫堂のファリムと弟子のボンギル。すぐに先祖の墓に問題があると気づいたファリムは、風水師サンドクと葬儀師ヨングンに協力を仰ぐ。やがて4人は先祖の墓のお祓いと改葬を行うが、そこには恐ろしい秘密が隠されていて……。

●公開情報

『破墓/パミョ』新宿ピカデリーほか全国公開中

[2024 年/韓国/134 分]監督・脚本:チャン・ジェヒョン 『プリースト 悪魔を葬る者』『サバハ』

出演:チェ・ミンシク 『オールド・ボーイ』ドラマ『カジノ』、キム・ゴウン 『トッケビ 〜君がくれた愛しい日々〜』『ユミの細胞たち』ユ・ヘジン 『コンフィデンシャル/共助』、イ・ドヒョン 『ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜』『メランコリア ~僕らの幸せの方程式〜』

配給:KADOKAWA、KADOKAWA K プラス 

提供:KADOKAWA K プラス、MOVIE WALKER PRESS KOREA 

公式サイト:pamyo-movie.jp 

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