ムン・ガヨンチェ・ヒョヌクが主演している『あいつは黒炎竜』がU-NEXTで配信されていて、いつも楽しみに見ている。ムン・ガヨンが演じるのはヨンソン百貨店の企画チーム長ペク・スジョン。上司の本部長パン・ジュヨンに扮しているのがチェ・ヒョヌクである。

 スジョンには「本部長キラー」という別名があり、ジュヨンもウカウカできない立場になっている。(以下、一部ネタバレを含みます)

■ムン・ガヨン&チェ・ヒョヌク主演『あいつは黒炎竜』、後継者の孫と祖母の関係性に注目

 男性主人公のジュヨンは表と裏の顔が違う。会社では本部長として仕事に邁進しているのだが、裏の私生活では完全なオタクになっている。好きな音楽と漫画とゲームに没頭するばかり。しかも、その姿を絶対に他人には見せない。

 それは財閥企業のオーナーである祖母ヒョソンの目が光っているからだ。しかも、ジュヨンは嫌われている。それはなぜなのか。

 ヒョソンは、後継者として頼りにしていた息子とその妻を一緒に交通事故で亡くしていた。それも、ジュヨンの好きな遊びに付き合っている最中に突然の事故に遭ってしまった。その悲劇に慟哭したヒョソンは、外出のきっかけを作った孫のジュヨンを恨んでいた。

 とはいえ、財閥オーナーの立場からすれば、血がつながっているジュヨンを立派な後継者に育てるしかない。ところが、孫に対しては不安しかない。果たして本当に財閥の将来を委ねていいものかどうか。

「才能があった息子がいてくれたら……」

 ヒョソンは悔やんでばかりいる。

 そんな展開を見ていると、「既視感」があった。どこかで見たような……。あれは、何のドラマだったかな。

 いきなり思い出したのが、2009年に制作された『華麗なる遺産』だった。ハン・ヒョジュイ・スンギが共演して最高視聴率47.1%を記録した超メガヒット・ドラマであったが、『あいつは黒炎竜』と共通する点が多かった。