古今東西のドラマや映画が「最高のラストシーンを作ろう」と競ってきた。それほど最終場面は重要。決定的に、作品の印象度を左右してしまうからだ。私が人生で見た映画の「最高のラスト」ベスト3は『猿の惑星』『スティング』『ニュー・シネマ・パラダイス』。この3本で決まりだ。
それでは、韓国ドラマではどのような結果になるだろうか。(以下、一部ネタバレを含みます)
■韓国ドラマ「最高のラスト」生涯ベスト3!
どんな名作であれ、ラストシーンを語るのは難しい。まだ見ていない人の「究極のご馳走」を奪う結果にもなりかねないからだ。そこで、具体的な描写をしないように注意しながら、衝撃を受けた「最高のラストシーン」の背景だけを語ることにしよう。
■韓ドラ最高のラスト/3位『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』
ドローン撮影技術の発達があったからこそ、このラストシーンが可能であり、「美しくスケールが大きい映像」は秀逸だった。
『オク氏夫人伝』は奴婢のクドク(イム・ジヨン)が運命的な出来事によって令嬢オク・テヨンになり、聡明な頭脳を生かして村の人々を助けるというストーリーになっていた。中でも、ヒロインが屈辱の中から堂々たる人生を築いていく過程がスリリングだった。
そして、終盤……このまま悲劇的な結末になってしまうのかとハラハラしていたら、一転して、すべての怨念が解消されて大きな願いが叶えられた。なんという夢のある終わり方だったことだろうか。
登場人物がこぞって素晴らしい笑顔を見せてくれたし、海の上から全体を俯瞰したシーンの壮大さは圧巻だった。
●配信情報
『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』U-NEXTにて独占配信中
[2024年/全16話]演出:チン・ヒョク 脚本:パク・ジスク
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■韓ドラ最高のラスト/2位『二十五、二十一』
ハッピーエンドを期待していた人たちにとっては残念な結末だったかもしれない。しかし、私には望みどおりのラストシーンだった。特に主人公2人(ナ・ヒドとペク・イジン)がどうしても言えなかった言葉を、空想の中で再現するという展開には鳥肌が立った。
「本当なら2人はこうであってほしかった」という希望が込められていたし、その場面を実際にラストで見せてくれたことが嬉しかった。
中年になったナ・ヒドが若き日を振り返っていくとき……時間の隔絶を示す「思い出のトンネル」も舞台装置として最適だった。そして、5人で行った夏の記憶が甦るラストシーン。心から泣けた。
●配信情報
Netflixシリーズ『二十五、二十一』独占配信中
[2022年/全16話]演出:チョン・ジヒョン 脚本:クォン・ドウン