舞台になるのは「海」という優雅で力強い自然環境。そこは、恋を育み、人生の重さをそっと受け止める場所。青春の誓いも、2人の愛の芽吹きも、すべては潮騒と夕映えが抱きしめてくれる。そんな名場面を3つ選んでみよう。(以下、一部ネタバレを含みます)
■夏の終わりに見たくなる「美しい海を描いた名場面」ベスト3!
一つ目は『キング・ザ・ランド』(2023年)。最悪の出会いから始まる絵葉書のように鮮やかなラブコメである。
主人公は、豪華ホテルの御曹司ク・ウォン(ジュノ/2PM)と最優秀社員チョン・サラン(ユナ/少女時代)。第2話と第3話では、仕事で行った済州島(チェジュド)のことが描かれる。トラブルにより、小さな島に2人きりで泊まることになり、そこで淡い情愛の火種が生まれる。結果として、済州島の海は2人をラブロマンスにやさしく導いてくれた。
以後、ウォンとサランは華やかな時間を少しずつ分かち合い、目の前の困難な状況を1つずつ越えていく。なんといっても、済州島での素敵な記憶が、お守りのように2人の背中を押し続けた。
●配信情報
Netflixシリーズ『キング・ザ・ランド』独占配信中
[2023年/全16話]演出:イム・ヒョヌク 脚本:チェ・ロム クリエイター:チョン・ソンイル
出演:イ・ジュノ(2PM)、イム・ユナ(少女時代)、コ・ウォニ、アン・セハ

二つ目は『二十五、二十一』(2022年)。夏の匂いが胸をくすぐる第10話。テレビ番組を作るペク・イジン(ナム・ジュヒョク)が、ナ・ヒド(キム・テリ)とコ・ユリム(キム・ジヨン)に修学旅行を提案し、仲間のジウン(チェ・ヒョヌク)とスンワン(イ・ジュミョン)も合流して、合計5人であこがれの海へ向かう。
水に飛び込む4人の快活な笑い声が、波しぶきの中で弾ける。砂浜で見守っていたペク・イジンも、みんなに引っ張られて海へ投げ込まれる。まさに、青春の華やかなワンシーンだ。
心の距離をぐっと縮めた5人は、砂浜に並んで座り、茜色の海を共に見つめる。
ナ・ヒドがつぶやく。「ああ、この瞬間が永遠のようだね」。ペク・イジンは優しくうなずき、「永遠になるのさ」と応える。最高の笑顔でナ・ヒドが重ねる。「永遠にしよう」。そのとき映像は、夕暮れの岸辺で海を見つめる5人の背中からそっと遠ざかりながら、優しく全体を捉える。こうして、思い出が金色に染まっていくのである。
●配信情報
Netflixシリーズ『二十五、二十一』独占配信中
[2022年/全16話]演出:チョン・ジヒョン 脚本:クォン・ドウン
出演(ドラマの役名):キム・テリ(ナ・ヒド)、ナム・ジュヒョク(ペク・イジン)、キム・ジヨン/ボナ(コ・ユリム)、チェ・ヒョヌク(ムン・ジウン)、イ・ジュミョン(チ・スンワン)
