■『北極星』で主人公が参拝した5.18民主公園のロケ地光州広域市

『北極星』で、大統領選への出馬を決めたムンジュは、民主化抗争で命を失った人々の弔いに地方へと遠征する。最初に訪れたのが、韓国南西部・光州(クァンジュ)広域市にある5.18民主公園だ。

 光州といえば、韓国の民主化運動の原点ともいえる「5.18民主化抗争」(いわゆる光州事件)を思い浮かべる人も多いであろう。1980年5月18日から10日間に亘り、全斗煥(チョン・ドゥファン)による軍事クーデターに抗議した学生や市民たちが、軍と闘い、大勢の死傷者を出しながらも民主化を勝ち取った歴史的出来事だ。

 本作の撮影が行われたのは、光州5.18民主墓地である。同墓地には、「5.18民主化抗争」で軍による無差別発砲により犠牲となった市民たちが眠っている。

『北極星』にも登場する追慕塔は、寺院で行事があるときに幢(はた)を掲げるための幢竿支柱をモチーフとしており、卵型の造形物を両手で包み込んだ形を模した中央部分は、復活を象徴しているという。

『北極星』に登場した光州民主墓地には、5.18民主化抗争で犠牲となった市民たちが眠っており、復活を象徴する追慕塔が建てられている
光州グルメのひとつであるトッカルビを注文すると、牛肉カルビのスープをはじめ、たくさんのパンチャンが並ぶ

●光州へのアクセス

ソウル・龍山駅から光州松汀駅まで約2時間5分