『青春ウォルダム~運命を乗り越えて~』『寄生獣 ―ザ・グレイ-』のチョン・ソニと、『Mr.プランクトン』『力の強い女 カン・ナムスン』のイ・ユミという、個性派若手女優の2人が共演する『あなたが殺した』がNetflixで配信中だ。
社会的問題であるDV(家庭内暴力)のトラウマから抜け出すために、大胆な行動に出る2人の女性の苦悩と決断、そして未来を描いた物語。原作は奥田英朗の小説『ナオミとカナコ』である。(以下、一部ネタバレを含みます)
■チョン・ソニ、イ・ユミ共演Netflix社会派サスペンス『あなたが殺した』見どころは?
百貨店の外商部に勤めるチョ・ウンス(チョン・ソニ)は、幼い頃から、母(キム・ミギョン)が父(キム・ウォネ)からの暴力に苦しめられる姿を目の当たりにしていた。幼少期は、弟とともにクローゼットの中に隠れ、父の怒りが静まるのを待ち、大人になった今は、父の暴力が収まったと思い込むことで、母へのDVを黙認している。ウンスにとって、それが大きなトラウマとなっていた。
ウンスには高校時代の同級生で、心のよりどころであるチョ・ヒス(イ・ユミ)という親友がいる。大手投資会社の副支店長である夫のノ・ジンピョ(チャン・スンジョ/『もうすぐ死にます』)と結婚したヒスが、幸せに暮らしていると思っていたウンス。しかし実は、ヒスがジンピョのDVにおびえ苦しめられ、身も心もボロボロであることを知る。
自ら命を絶つことで、夫の暴力から逃れようとするヒスを、すんでのところで救ったウンスは、ヒスにジンピョを殺害しようと持ち掛ける
ウンスは、あるトラブルで貿易会社を営むチン・ソベク(イ・ムセン/『39歳』)と知り合う。ソベクの会社で働く密入国者のチャン・ガン(チャン・スンジョの2役)が、ジンピョに瓜二つであることに気づき、チャン・ガンを利用したジンピョ殺害計画を企てるのだが……。
第1話はウンスの視点から、第2話はヒスの視点から物語を描くことにより、ウンスとヒス、2人の深い関係性と暴力に対する互いのトラウマを如実に描いている。
ジンピョの母(キム・ミスク/『旋風』)は、DV被害者に、勇気をもって周囲に打ち明けるよう熱弁する有名講演家だが、現実の世界では息子のDVを黙認している。また、刑事であるジンピョの妹ジニョン(イ・ホジョン/『わかっていても』)は、大統領付きの警護官への昇進を目前に控え、家庭内の問題が露見しないよう画策する。
自己中心的な登場人物が多い中で、ウンスとヒスが互いに相手のことを一番に考え、行動する姿がいじらしい。目的を達成した後、海辺で束の間の休息を楽しむ場面での2人の笑顔がまぶしい。
そんな2人に協力を惜しまないソベクの言動が、視聴者の共感を呼ぶ。スリリングなストーリー展開は、続きが気になり、見始めると途中ではやめられなくなるほどだ。
演出はイ・ジョンリム(『VIP-迷路の始まり-』『皇后の品格』)、脚本はキム・ヒョジョンが担当する。
●配信情報
Netflixシリーズ『あなたが殺した』独占配信中
[2025年/全8話]演出:イ・ジョンリム 脚本:キム・ヒョジョン
出演:チョン・ソニ、イ・ユミ、チャン・スンジョ、イ・ムセン