名作ドラマ『冬のソナタ』の全20話をユン・ソクホ監督が自ら再編集した『映画 冬のソナタ 日本特別版』。彼が作中で最も愛着のある場面は、南怡島(ナミソム)でロケが行われたファーストキスだという。それは、チュンサン(ペ・ヨンジュン)とユジンチェ・ジウ)が抱く初恋を永遠に昇華させる重要なシーンであった。

■『冬のソナタ』名場面、ファーストキスシーンの撮影秘話!

 当初、ファーストキスの場面は夜の南怡島でカメラを回す予定であった。深い闇に包まれた空間を活かすつもりだったのだ。そこにドラマチックな人工の光を当てて、幻想的な光景を描き出そうと計画していた。

 確かに映像の美しさを追求するなら、夜景を選ぶのは理にかなっている。神秘的なムードが高まるのは確実だった。しかし、ユン・ソクホ監督はふと立ち止まった。この物語が持つ本来のテーマを改めて問い直したのである。

 導き出した答えは明確だった。厳寒の季節を背景にした初々しい恋を描くのだ。それならば、混じり気のない白銀の世界こそがふさわしい。彼はそう思い直した。結果として、太陽の光が雪面にきらきらと反射する午前中にファーストキスのシーンが撮影されることになった。

 よく考えてみると、冬という季節は恋愛に最も適している。草木は枯れ落ち、万物の生命活動が一時的に停止したかのように感じられる。外界から遮断されたような、孤独な印象を与える季節だ。枯れ木が並ぶ風景も、ひたすらに物寂しい。

 しかし、人間の内面までが冷え切ってしまうわけではない。むしろ逆である。精神は温もりを渇望する。誰かを心の底から愛おしく思う気持ちが強くなるのだ。そんな折に、空から柔らかな雪が舞い降りてくる。その美しさに触れた瞬間、これが純真さの証なのだと深く納得させられる。

 劇中のユジンとチュンサンもまったく同じであった。2人は一面の銀世界の中で、生まれて初めての愛に目覚める。それは、自身のすべてを投げ打っても構わないと思える運命の相手との遭遇だ。同時に、それまで想像もしていなかった永遠という概念に触れた瞬間でもあった。