至宝の韓国ドラマ『冬のソナタ』を再編集した『映画 冬のソナタ 日本特別版』。本作で、ペ・ヨンジュンは高校生のチュンサンと10年後のミニュンを演じている。一人二役だったので、役づくりには相当苦労したという。当時29歳のペ・ヨンジュンは、10代の少年の未熟な感性を必死に表そうとしていたが、眼差しはやはり高校生というより、熟しきった大人の鋭さだった。
■『冬のソナタ』極上の名シーン!雪を仰ぎ見るミニョンを演じたペ・ヨンジュンはまさに貴公子だった
ペ・ヨンジュンも自覚していた。当時のインタビューで、彼は「高校生の演技は本当に大変でした。10代らしい目線ができなくて苦労しました」と語っていた。
10年後のミニョンを演じるようになると、ペ・ヨンジュンにも余裕が出てきた。
「チュンサンとミニョンは名前が違うように、性格も完全に違います。だからこそ、高校生のチュンサンの撮影が終わってみると、一つのドラマを終えて別のドラマを始めるような気分になりました」
難しい役を終えた安堵感と等身大の役を演じる新たな意欲。この二つの気持ちが、演技の中で柔らかさを生み出していた。
登場の仕方も素敵だった。場面はユジン(チェ・ジウ)の婚約式の夜で、彼女が美容院から出てきたところだった。ユジンは、本当に美しかった。このドラマの中で、最も彼女が華やかに映えた瞬間でもある。
そんなユジンの頭上から初雪が降ってきた。雑踏の中で、道行く人たちが初雪に歓声をあげている。ユジンも、しばらく歩みを止めて、雪のきらめきを眺めていた。しかし、表情が急に固まった。
雑踏の中で見つけたのは、忘れられない最愛の人だった。白いハイネックのニットにキャメル色のコートを着て、白とピンクの2枚のマフラーを首に重ね合わせている。
「あの人かも」
そう感じたユジンはビックリして、手にしていた携帯電話を落としてしまう。
そのとき、「彼」も一瞬立ち止まり、右の手のひらを挙げて夜空を仰ぎ見る。優しさに満ちた口もと、輝くばかりの白い歯……その表情に見とれたユジンは、「彼」のことを雑踏の中で見失ってしまう。
あわてて後ろ姿を追うのだが、どうしても見つけられない。けれど、ユジンの心には「彼」のイメージが強烈に残った。