チェイサー』『神と共に』シリーズなど、韓国映画界をけん引する名優で、監督としても活躍しているハ・ジョンウ主演の『韓国でビルオーナーになる方法』がU-NEXTで配信中だ。ハ・ジョンウは本作で、借金返済のために図らずも誘拐犯となってしまうキ・スジョンを演じる。スジョンの妻キム・ソンを演じるのは、『ごめん、愛してる』『メランコリア』の実力派俳優イム・スジョンだ。(以下、一部ネタバレを含みます)

■ハ・ジョンウ主演『韓国でビルオーナーになる方法』サスペンスのなかにコミカル要素もちりばめられた秀作

 ビルオーナー(韓国語で「建物主」)といえば、『ソウルの家から大企業に通うキム部長の物語』が記憶に新しい。主人公のキム・ナクス(リュ・スンリョン)が、家賃収入で楽に安定した生活を得ようと、退職金をつぎ込みビルの1室を購入するも、実は不動産投資詐欺だった……という場面がある。

 韓国人にとってビルオーナーになることは、強い憧れであり、高い生活レベルの象徴だといわれている。

『韓国でビルオーナーになる方法』U-NEXTにて独占配信中 (C)STUDIO DRAGON CORPORATION

『韓国でビルオーナーになる方法』の主人公キ・スジョン(ハ・ジョンウ)もまったく同じだ。サラリーマン生活に疲れ中途退職したスジョンは、幼馴染のミン・ファルソン(キム・ジュンハン)の勧めで、経済的な安定とステイタスを求めて、再開発地域にある低層ビルを購入する。とはいえ、決して経済的に余裕があるわけではない。退職金だけでは賄えず、ありとあらゆる知人から借金をしたうえでの購入だ。

 なかなか入居者が決まらないフロアもあり、賃料が入金されても、保険料や年金の引き落とし、銀行への利子の支払いなどでビル経営は火の車だ。チラシ配りやデリバリーのバイトをしても埒が明かず、聴覚に障がいがある娘キム・ダレ(パク・ソギョン)の海外留学貯金にまで手を出し、妻のキム・ソン(イ・スジョン)の怒りを買う。

 そんなある日、債権譲渡を受けたという債権回収会社・リアルキャピタルの実務担当ヨナ(シム・ウンギョン)から、1週間以内に全額返済しなければビルを差し押さえるといわれる。スジョンは義弟で凶悪犯罪担当刑事のキム・ギュン(キム・ナムギル)に相談するが、捜査中にギュンは不審な事故で命を落とす。

 スジョンは自分のビルの地下倉庫でファルソンが彼の妻、チョン・イギョン(チョン・スジョン)を監禁しているのを見つける。ファルソンも多額の借金を抱えていて、その返済のためにイギョンが誘拐されたように見せかけ、イギョンの母で不動産事業家のチョン・ヤンジャ(キム・クムスン)から高額の身代金を奪い取ろうと計画していたのだ。   

 協力すれば分け前をくれるというイギョンの提案に、ビルを守るために応じることにしたスジョンは、ボイスチェンジャーを使い脅迫電話をかける。しかし、金の亡者であるヤンジャが誘拐犯に身代金を強奪されないよう、イギョンに相談せず警察に通報してしまう。何も知らずに身代金受渡現場に現れたスジョンは、身代金を手に入れるが、警察に追われることになり……。

『韓国でビルオーナーになる方法』U-NEXTにて独占配信中 (C)STUDIO DRAGON CORPORATION

 自分のビルを守るために何事にも一生懸命ながら、何をやってもうまくいかないスジョンにビルオーナーの悲哀を感じる。そんなスジョンの言動にはコミカルな要素がちりばめられており、緊迫したサスペンスのなかでクスッとさせるところが、さすが演技派のハ・ジョンウである。

 良妻賢母だと思っていたソンにもスジョンを苦しめる行動があり、視聴者は驚かされるとともに、ソン役をイム・スジョンが演じる理由に大きく納得するであろう。

 悪役に初挑戦というシム・ウンギョンが演じるのは、目的のためなら手段を択ばない超冷徹な債権回収実務者だ。声を荒げることなどなく、微笑みながら平気で人を殺めるヨナは、背筋が凍るほど恐ろしくおぞましい。この役でシム・ウンギョンは新境地を開いたといえる。

 特別出演として、スジョンの義弟役のキム・ナムギルに加え、日本のロックミュージシャンであるMIYAVIが、ヨナの上司モーガン・リーを演じる点にも注目だ。

 演出は『愛のタリオ』のイム・ピルソンと『ボイス』のキム・サンフンの共作、脚本はオ・ハンギが務める。

『韓国でビルオーナーになる方法』U-NEXTにて独占配信中 (C)STUDIO DRAGON CORPORATION

●配信情報

『韓国でビルオーナーになる方法』U-NEXTにて独占配信中(毎週土・日曜日、最新話更新)

[2026年/全12話]演出:イム・ピルソン、キム・サンフン 脚本:オ・ハンギ

出演:ハ・ジョンウ、イム・スジョン、キム・ジュンハン、チョン・スジョン(クリスタル)、シム・ウンギョン、キム・ジュンファン、キム・グムスン、パク・ソギョン、ヒョン・ボンシク、MIYAVI、キム・ナムギル

(C)STUDIO DRAGON CORPORATION