■チャ・スンウォン、パク・ジョンミン、ハン・ソッキュ……女性に扮した意外な男優たち
日本と比べると性的に保守的な韓国では、男性が女性に扮するような描写は長らくタブー視されてきた。それを打ち破ったのが1998年、当時の人気スター、アン・ジェウクが女性に化けた映画『チム~あこがれの人~』だ。この映画では意中の女性(キム・ヘス)に接近するために女性になりすますという設定だった。
2000年前後のトップ俳優で、最近では『浪漫ドクター キム・サブ』シリーズや『シン社長プロジェクト』で知られるハン・ソッキュも女性役に挑んでいる。2005年の映画『ミスター主婦クイズ王』は経済的に追い込まれた専業主夫が賞金目当てに主婦限定のクイズ番組に女性に変身して出場するというストーリーだった。
1230万人以上を動員した大ヒット映画『王の男』(2005年)では、イ・ジュンギ扮する旅芸人が国王を惑わせる女形を演じて注目された。涼しげな目鼻立ちと女性らしい所作は、女性に扮した男優ナンバーワンの呼び声も高い。
ある目的のために女性になりすますのではなく、性自認の問題にまで踏み込んだのが『ハイヒールの男』(2014年)だ。チャ・スンウォン扮する刑事はヤクザも震え上がる武闘派だが、女性として生きたいという気持ちを抑えられず苦悩する。
最近の映画やドラマではさらにリアリティが求められるようだ。『ただ悪より救いたまえ』にはパク・ジョンミン扮するトランスジェンダーが登場、お人好しで人情に篤いキャラクターはハマり役だった。『D.P. -脱走兵追跡官-』シーズン2では、演技派ペ・ナラがニーナ役で妖艶な演技を披露している。ちなみに、印象が違うために気づかず見ていた人も多そうだが、ペ・ナラは『隠し味にはロマンス』でカン・ハヌル扮する主人公の兄を演じていた。
『PILOT ー人生のリフライトー』はハラスメントなど社会問題にも踏み込んでいるが、エンターテイメント作品としても完成度が高い。エンドロール前のおまけ映像では、意外な俳優が女性に扮する様子を見ることができるので、そちらもお楽しみに。
●作品情報
映画『PILOT ー人生のリフライトー』公開中
[2024年/111分]監督:キム・ ハンギョル 脚本:チョ・ユジン
出演:チョ・ジョンソク、イ・ジュミョン、ハン・ソナ、シン・スンホ
提供:楽天 配給:松竹
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