人気シリーズ『ユミの細胞たち』が、シーズン3として4年ぶりに帰ってきた。ディズニープラスで独占配信されている。

『ユミの細胞たち』は、日本でもマニア的なファンをもつシリーズ。2021年にシーズン1、2022年にシーズン2が配信された。ちょうどコロナ禍の閉塞感の中で視聴したせいか、ドラマを観ながら気持ちがふんわり癒されたことが強く印象に残っている。

キム・ゴウン主演『ユミの細胞たち』待望のシーズン3、見どころ紹介!

 一見、かわいいテイストなので、それだけだと誤解されがちだが、実は本作はそれまでの韓国ドラマにはなかった斬新な一作でもある。恋愛感情で揺れ動くヒロインの感情を擬人化された3Dアニメの細胞たちで表す、実写×3Dアニメを組み合わせたドラマなのだ。

 基本的なストーリーは、キム・ゴウン演じる平凡なアラサーの会社員であるユミの恋愛模様が描かれていくだけなのだが、彼女の感情や行動の原理がさまざまな細胞たちによって随所で描写されていく。

“細胞刺激共感ロマンス”と紹介されることが多いが、“恋愛分析ドラマ”として楽しむこともできる一作といえるだろう。

 ユミの脳内に見立てた“ユミの村”には、理性を司る理性細胞、感性を司る感性細胞、恋愛をするときに重要になる愛細胞のほか、不安細胞、腹ペコ細胞、下心細胞といった脳内細胞たちが住んでいる。ユミの身に何か起こるたびに、彼らは話し合ったり、時には取っ組み合いのケンカをしたりしながら、ユミの感情や行動を決定していくのだ。

 例えば、気になる異性が目の前に現れると、“ユミの村”は大騒ぎ。感性細胞が感情に走り過ぎたら、それを理性細胞が落ち着かせたり、急に下心細胞が登場してエッチな発言をしたかと思えば、いきなり腹ペコ細胞が「何か食わせろ!」とわがままを言い出したりする。

 奇想天外だが、これが不思議と人の感情の裏側を見ているような気にさせられていくのだ。2025年に日本公開された3Dアニメ映画版の『ユミの細胞たち THE MOVIE』のキャッチフレーズは「僕たちが望むのは、ユミの幸せ」だったが、細胞たちがユミのためにとにかく一生懸命なところも魅力である。

 このシリーズを観ると、自分の身体の中にもかわいい細胞たちの応援団が存在しているように思えてきて勇気づけられてしまう。

『ユミの細胞たち』シーズン3 (C)2026 TVING Co., Ltd & Studio Dragon All Rights Reserved.

 ヒロインのユミの恋愛相手となる男性主人公としては、シーズン1は『スプリング・フィーバー』『財閥 x 刑事』のアン・ボヒョン演じるゲーム開発者のウン、シーズン2は『愛の光』『未知のソウル』のパク・ジニョンGOT7)演じる同僚のボビーが登場する。

 まさに“完璧な彼氏”のように見えるボビーが巷では人気だったようだが、個人的にはシーズン1のほうが印象的だった。ユミだけでなく、ウンの脳内細胞たちもたびたび登場したからだ。

 ウンの脳内の村で下心サウルスという恐竜が暴れ狂うくだりも面白かったが、何といっても恋愛をする2人の心の内が細胞たちによって画面に映し出されていくところが本作の真骨頂だろう。

 特に終盤は、2人の間にどうしてそんなボタンのかけ違いが起きたのか、痛いほど理解でき、切なかった。韓国のラブコメディの中でも随一の恋愛描写だったと思う。