名作『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』『私の解放日誌』の脚本を執筆したパク・ヘヨンの新作『誰だって無価値な自分と闘っている』。映画界を舞台にした本作には、興味深いキャラクターがじつに多く登場して、見応えがある。(以下、一部ネタバレを含みます)

■映画の制作を通して批判と嫉妬が描かれる『誰だって無価値な自分と闘っている』見え隠れする人間の本質

 このドラマでは、大学の映画サークルの先輩後輩で結成された「8人会」のメンバーがひんぱんに登場してくる。

 ファン・ドンマン(ク・ギョファン)は20年間も映画監督になることを夢見ながら、なんら成果を発揮できなかった。その割に、「8人会」で他のメンバーのことを徹底的に批判してひんしゅくを買っている。準備している映画の台本は何度もボツになっているが、彼は決してあきらめない。

 そんなドンマンを理解する唯一の人がピョン・ウナ(コ・ユンジョン)だ。彼女は映画会社チェ・フィルムのPDを務めていて、鋭利なほどの批評眼を持っている。しかし、小学生のときに両親に捨てられた過去がトラウマになっていて、精神的に追いつめられるとすぐに鼻血を出してしまう。

 ドンマンと同居している兄がファン・ジンマン(パク・ヘジュン)。溶接の仕事をしているが、かつては詩人として嘱望されていて詩集も出している。しかし、離婚と同時に娘と会えなくなり、その辛さをまぎらわすためなのか酒浸りになっている。

「8人会」のリーダー的な存在なのが年長のパク・ヨンス(チョン・ベス)。他のメンバーの調整役として尽力している。また、監督として実績を積んできたが、年齢のせいなのか才能の枯渇に苦しんでいる。

「8人会」の中でバリバリの映画監督なのがパク・ギョンセ(オ・ジョンセ)である。しかし、新作映画が大コケしてしまい、罵声のような悪評に苦しめられた。特に、ドンマンと仲が悪い。学生時代に2人は同居していたほど親密だったが、今は最悪の関係だ。

 ギョンセの妻で「8人会」の中でめざましく活躍しているのがコ・ヘジン(カン・マルグム)。映画会社コバクフィルムの代表で「アジト」というレストランバーも経営している。

 映画会社チェ・フィルムの代表を務めるチェ・ドンヒョン(チェ・ウォニョン)。商売第一の考え方の社長で、かつてウナのことを高く評価していたが、一転して彼女を冷遇するようになった。