連載第1回で、「まずは産土神社にお参りするのが開運の第一歩」とお話しました。ただ、産土神(うぶすながみ)と言ったり氏神(うじがみ)と言ったり、紛らわしいですよね。いったいどっちなんだい!? と。そこで今回は、ややこしい産土神と氏神の関係を紐解いたうえで、「お参りするときに一番大事なこと」をお伝えしようと思います。
■意外に紛らわしい産土神と氏神

さて、前回お話したように、産土神とはもともとは生まれた土地の神様を意味します。そして、そこの地縁で結ばれた人々を「産子(うぶこ)」といいました。
一方、氏神は氏族の祖神や、その氏族と関係の深い神のことで、氏族の血縁集団を「氏子(うじこ)」といいました。

それが中世に入り、もともとの出身地から離れた土地を管理したり領有したりするようになった武士団が、その土地の神も氏神として祀るようになったのです。
武士団にかかわる人々も血縁関係から地縁関係へと広がって、氏族の神である氏神と土地の神である産土神が混同されるようになっていきました。
■これを怠ると台無しになりかねない

「ある事」を怠ると、こんな具合に神様のご機嫌を損ねることに……。
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ここでは、「生まれた土地の神様」ということを強調する場合に産土神・産土様と表記することもありますが、氏神と同じ意味ととられていただいてかまいません。
その氏神様にお参りしましょうということでお参りの仕方を簡単にご紹介してきましたが、忘れてはいけない大切なことがあります。これを怠ると台無しになりかねないほどです。
何か悩みごとや叶えたいことがあると、人は神様にお願いします。しかし、お願いするときは熱心で、その願いが叶ったらほっとしてお参りに行ったことなどすっかり忘れてしまう、ということはありませんか?
■お礼参りこそが大事

お礼の気持ちを伝える──人づきあいでも神様とのお付き合いでもこれが一番大事。
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実は、その願いが叶った後の「お礼参り」こそが、とても重要なのです。私は、神様へのお願いごとや神様への誓いに神社へ行くことよりも、もっと大切で重要だと思っています。
人間同士のことを想像してみるとわかりやすいかもしれません。
本当に困って、助けてほしいときだけ懇願して、助けてもらってうまくいったとたん、ついつい御礼や報告を忘れてしまう。そして、また何か困ったことがあったらその人を思い出して相談する──。それで相手の方はどう思うでしょうか?
神様に対しても同じことが言えます。「ホント? 気にしすぎじゃない?」と思う方もいるかもしれませんが、実は私自身が、「お礼参り」にまつわる不思議な体験をしたことがあるからです。